平成30年度税制改正では、働き方の多様化を踏まえ、様々な形で働く人をあまねく応援する等の観点から、個人所得課税の見直しを行うとともに、デフレ脱却・経済再生の実現に向け、賃上げや設備投資を後押しする税制上の措置を講じ、さらに中小企業の代替わりを促進する事業承継税制の拡充等が行われました。
 法人会では、昨年9月に「平成30年度税制改正に関する提言」を取りまとめ、その後、政府・政党・地方自治体等に提言活動を積極的に行ってまいりました。今回の改正では、中小法人向け税制や事業承継に関する税制の見直しなど法人会の提言事項の一部が盛り込まれ、以下のとおり実現する運びとなりました。
[法人課税]
1.交際費課税
法人会提言 改正の概要
  • 平成26年度税制改正において拡充された交際費課税の特例措置については、適用期限が平成30年3月末までとなっていることから、その延長を求める。
  • 交際費等の損金不算入制度について、適用期限が2年延長されるとともに、接待飲食費に係る損金算入の特例の適用期限も2年延長されました。

 

2.少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措置
法人会提言 改正の概要
  • 少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措置の適用期限が平成 30年3月末までとなっていることから、直ちに本則化することが困難な場合は、適用期限を延長する。
  • 少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用期限が2年延長されました。

 

3.地方のあり方
法人会提言 改正の概要
  • 持続的で力強い成長サイクルを構築するためには、大胆な規制改革を中心とした戦略の立て直しが必要である。そのためには地域経済と雇用を担う中小企業の活性化も不可欠であり、地方創生戦略との連携や税制面をはじめとした多角的な環境整備が求められる。
  • 償却資産に対する固定資産税については、将来的には廃止も検討すべきである。
  • 地方創生では、さらなる税制上の施策による本社機能移転の促進、地元の特性に根差した技術の活用、地元大学との連携などによる技術集積づくりや人材育成等、実効性のある改革を大胆に行う必要がある。
  • 革新的事業活動による生産性の向上の実現のための臨時措置法(仮称)の制定を前提に、市町村が主体的に作成した計画に基づき平成33年3月31日までに行われた中小企業の一定の設備投資について、固定資産税の課税標準を最初の3年間ゼロ以上2分の1以下とする特例措置が創設されました。
  • 地方拠点強化税制については、地域再生法の改正を前提に、準地方活力向上地域とされた近畿圏中心部や中部圏中心部を、移転型事業の対象地域とする等の見直しが行われました。

 

[事業承継税制]
1.相続税、贈与税の納税猶予制度について要件緩和と充実
法人会提言 改正の概要
  • 本格的な事業承継税制が創設されるまでの間は、相続税、贈与税の納税猶予制度について要件緩和と充実を図ることを求める。
  • 10年間の特例として、猶予対象の株式の制限(総株式数の2/3)の撤廃、納 税猶予割合の引上げ(80%から100%)、雇用確保要件の弾力化が行われるとともに、複数(最大3名)の後継者に対する贈与・相続に対象を拡大し、経営環境の変化に対応した減免制度を創設する等の措置が講じられました。

 

[その他]
1.電子申告
法人会提言 改正の概要
  • 国税電子申告(e−Tax)の利用件数は、年々拡大してきているが、 政府は法人における電子申告の利用率の大幅な向上を目指している。このため、制度の一層の利便性向上と、地方税の電子申告(eLTAX)との統一的な運用を検討すべきである。
  • 法人税等に係る申告データを円滑に電子提出できるよう環境整備が進められるとともに、大法人については法人税等の電子申告が義務化されます。
  • 複数の地方公共団体への納税が一度の手続で可能となるよう、安全かつ安定的な運営を担保する措置を講じつつ、電子情報処理組織(eLTAX)を活用した共通電子納税システムが導入されます。

 

2.少子化対策
法人会提言 改正の概要
  • 企業も積極的に子育て支援に関与できるよう、企業主導型保育事業のさらなる活用に向けて検討する。
  • 平成30年4月1日から平成32年3月31日までの間に、企業主導型保育施設用資産の取得等をして、その保育事業の用に供した場合には、3年間12%(建物等及び構築物については、15%)の割増償却ができる措置が講じられました。

 今回は、源泉所得税関係のお話ではなく、お酒の鑑評会についてお話などさせていただきます。
 各国税局で毎年お酒の鑑評会が開催されているのはご存知でしょうか。東京国税局では毎年10月上旬に、 管内で製造された酒類に対する認知度の向上などを目的として、鑑評会を開催しています。
 出品の対象は、東京国税局管内の自らの製造場において製造した清酒、本格焼酎及びビール•発泡酒で29年10月の鑑評会ではそれぞれの部門にたくさんの出品がありました。
 審査は部門別に行われ、 その結果、清酒吟醸部門11製造場、清酒純米吟醸部門12製造場、清酒爛酒部門9製造場、清酒純米爛酒部門12製造揚、本格焼酎部門4製造場が優等賞を受賞しました。

(詳しくは、東京国税局ホームページに製造場名と銘柄が掲載されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。)

 そのほか、各国税局で開催されている鑑評会の結果等については各国税局のホームページに掲載されていますので、参考にしていただき、酒席のお供にしていただけたらと思います。

 東京国税局管内には、「日本におけるワイン醸造の発祥の地」と言われている山梨県があります。
 山梨ワインの生産は、1870年頃から始まったと言われ、明治時代から、ぶどうの品種改良に関する研究開発などが行われてきました。
 山梨県は現在においても日本最大数のワイナリーがあり、ワインといえば山梨、と言われるほど有名です。
 さて、皆様は「GI Yamanashi」という言葉はご存知でしょうか。
 「GI Yamanashi」とはワインの地理的表示のことです。では、地理的表示とは何でしょう。
 EU等で普及している地理的表示制度は、酒類などにおいて、ある特定の産地に特徴的な原料や製法によって作られた商品だけが、その産地名を独占的に名乗ることができる制度です。
  ワインの例:ボルドー・シャンパーニュなど
 我が国における酒類の地理的表示は、国税庁長官が指定しています。
 地理的表示の名称は、その地理的表示の産地以外を産地とする酒類、その地理的表示に係る生産基準を満たさない酒類に使用することができません。

 したがって、ラベルに「GI Yamanashi」と表示されたワインは、日本ワインのうち国税庁長官の指定を受けた厳格な生産基準に則って製造された高品質なワインということになります。

 山梨ワインのほかに地理的表示の指定を受けた酒類は、沖縄の泡盛「琉球」や石川の清酒「白山」など合計7つあります。(平成29年2月末時点)
 この指定を受けると、製造者は地域ブランドの価値を守ることができ、消費者は地域ブランド産品を適切に選ぶことができます。

 国税庁のホームページには、さまざまな情報が掲載されています。
 平成30年3月31日にリニューアルされましたので、この機会に是非ご覧になってください。

 

国税庁ホームページ https://www.nta.go.jp
 
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