■オープンイノベーションに係る措置の創設
青色申告書を提出し、自らの経営資源以外の経営資源を活用し高い生産性が見込まれる事業を行う法人が、令和2年4月1日から令和4年3月31日までの間に、経済産業大臣の証明を受けた一定の企業の株式を取得し所有している場合に、取得価額の25%を限度として損金算入できる制度です。
保有しているだけで取得価額の25%相当を損金算入できるという点が特徴ですが、売却した場合や配当を受けた場合に、取崩し事由となるので注意が必要です。中小企業者は1,000万円以上の払込から、中小企業者以外は1億円以上の払込から、外国法人への投資の場合は5億円以上の払込から、となっています。
■5G(第5世代移動通信システム)投資促進税制の創設
青色申告法人で、特定高度情報通信等システム導入事業者に該当するものが、特定高度情報通信等システムの普及の促進に関する法律の施行日から令和4年3月31日までの間に、特定高度情報通信用認定等設備の取得をして、事業の用に供した場合には、その取得価額の30%の特別償却または15%の税額控除が選択できる制度です。
■連結納税制度の見直し
連結納税制度は、連結親法人と子法人など企業グループの損益を通算できるメリットがある制度です。そのメリットはそのままに、グループ通算制度として、その仕組みが令和4年4月1日以後開始する事業年度から変更になります。
従来は、親法人が子法人の所得も含めて代表して申告し、修正申告などの際に必ず親法人が行う必要があるため親法人に負担のかかる制度でした。グループ通算制度では、グループ法人間で損益通算をした上で、各法人が法人税の申告を行う仕組みとなります。
■交際費税制
交際費の損金不算入制度について、その適用期限が2年延長されるとともに、中小法人が年間800万円の交際費まで損金算入できる制度についても2年延長されます。
接待飲食費の50%について損金算入を認める制度も2年延長されますが、資本金等の額が100億円を超える法人については、接待飲食費の50%について損金算入を認める制度から除外され、適用できないこととなります。
■企業版ふるさと納税の拡充
認定地方公共団体の寄附活用事業に関連する寄附をした場合の法人税額の特別控除について、適用期限が5年延長されます。また、従来の企業版ふるさと納税では、寄付金が損金算入されることに加え税額控除で実質40%の会社負担であったのが、税額控除の限度額が大きくなり会社負担は10%となります。
■投資要件の厳格化
大企業において、研究開発税制を適用する際に、国内設備投資額が当期償却費総額の10%を超えることとする要件は、30%を超えることとする要件に厳格化されます。また、大企業の給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の税額控除について、適用年度の国内設備投資額が当期償却費の90%以上とする要件について、95%以上へと厳格化されます。
いずれも、設備投資を積極的に行わない場合は、税の優遇を受けられないとする取扱いで、積極的な投資への後押しする趣旨の改正です。
■少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措置
中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を取得などして事業の用に供した場合に、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入できる制度が、2年延長されます。
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