平成27年度税制改正では、現下の経済情勢等を踏まえ、デフレ脱却・経済再生をより確実なものにしていくため、@成長志向に重点を置いた法人税改革や高齢者層から若年層への資産の早期移転を通じた住宅市場の活性化等のための税制上の措置、A地方創生に取り組むため、企業の地方拠点強化、結婚・子育ての支援等のための税制上の措置などが講じられました。さらに、経済再生と財政健全化を両立するため、消費税率の10%への引上げ時期が平成29年4月1日に延期されました。 法人会では、昨年9月に「平成27年度税制改正に関する提言」を取りまとめ、その後、政府・政党・地方自治体等に提言活動を積極的に行ってまいりました。今回の改正では、法人実効税率の引き下げなど法人会の要望事項の一部が盛り込まれ、以下のとおり実現する運びとなりました。
1.法人税率 法人税の税率が、現行の25.5%から23.9%に引き下げられます。これにより法人実効税率は現行の34.62%
(1) 我が国の立地条件や競争力強化などの観点から、法人税率のさらなる引き下げを行い、早期に欧州、アジア主要国並みの20%台の実効税率を実現するよう求める。
2.中小企業の活性化に資する税制措置
・中小法人に適用される軽減税率の特例15%を時限措置(平成27年3月31日まで)ではなく、本則化するよう求める。なお、直ちに本則化することが困難な場合は、適用期限を延長すること。 また、昭和56年以来、800万円以下に据え置かれている軽減税率の適用所得金額を、少なくとも1,600万円程度に引き上げるよう求める。
[事業承継税制]
(1) 先代が存命中、経営承継受贈者(2代目)が後継者(3代目)に再贈与した場合、その後継者が贈与税の納税猶予制度の適用を受けるときは、その適用を受ける特例受贈非上場株式等に係る猶予税額は免除されます。
(2) 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律の改正を前提に、認定承継会社等に係る認定事務が都道府県に移譲されます。
[復興支援のための税制上の措置]
福島の復興・再生を図り、近い将来の避難解除区域等内での事業再開を支援するため、@準備金を積み立てた際に、その積立額を損金算入することができるとともに、A準備金を取り崩して再開投資を行う際に特別償却できるよう、税制上の措置が講じられます。