■法人実効税率のさらなる引き下げ
昨年に引き続き、法人実効税率がさらに引き下げられます。法人税の税率が、平成28年4月1日以後に開始する事業年度については、現行の23.9%から23.4%に引き下げられ、さらに、平成30年4月1日以後開始する事業年度については、23.2%まで引き下げられます。地方税を含めた法人実効税率は平成28年度には、目標とされていた20%台に到達します。
■外形標準課税の拡大
大法人(資本金1億円超の法人)の外形標準課税については、所得割を縮小、資本割と付加価値の割合が増加します。なお、所得割が縮小されることにより、所得割に対する地方法人特別税率が引き上げられます。基本的には内訳の変更ですが、所得割の縮小に伴い、赤字法人に対する税負担が増すことになります。
■減価償却制度の見直し
平成28年4月1日以後に取得する建物附属設備及び構築物について、定率法を廃止し、定額法が採用されることになりました。なお、鉱業用の建物、建物附属設備及び構築物については、定額法又は生産高比例法の選択が認められます。
■欠損金の繰越控除制度の見直し
大法人(資本金1億円超の法人)の控除限度額について、平成27年度改正において、段階的に引き下げられることになっていましたが、その取扱について下記のとおり変更となりました。なお、中小法人等については、従来通り控除限度額の制限は適用されません。
・平成27年4月から平成28年3月までに
開始する事業年度 65% ⇒ 65%
・平成28年4月から平成29年3月までに
開始する事業年度 65% ⇒ 60%
・平成29年4月から平成30年3月までに
開始する事業年度 50% ⇒ 55%
・平成30年4月以後開始する事業年度
50% ⇒ 50%
また、繰越欠損金の繰越期間が現行の9年か
ら10年に延長される措置については、施行時
期が1年遅れ、平成30年4月以後に開始する
事業年度に生じた欠損金から適用されます。
■生産性向上設備投資促進税制の廃止
非常に多く利用されてきた生産性向上設備投資促進税制は、平成29年3月31日に取得された資産までで、制度が廃止されます。また、即時償却と税額控除率の上乗せ措置について、平成28年3月31日までとされている適用期限は延長しないこととされました。
■企業版ふるさと納税制度の創設
地方再生法の改正を前提として、青色申告法人が、平成32年3月31日までに、地方再生法の認定地域再生計画に記載された地方創生推進寄附活用事業に関連する寄付金を支出した場合に、法人税の5%を上限として一定の税額控除が受けられます。
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