日本ボタン大賞コンクール

主催 一般社団法人日本釦協会 
協賛 全国ボタンエ業連合会 日本釦服飾手芸卸協同組合連合会
後援 経済産業省 ㈱洋装産業新聞社 ㈱繊研新聞社
日本ボタン大賞コンクールについて 一般社団法人日本釦協会では日本に於けるボタン産業育成のため種々の行事を行っています。 そのひとつが、「日本ボタン大賞コンクール」の選定と表彰です。
1989年よりスタートし、今回で21回目を迎えました。

第21回 日本ボタン大賞コンクール 受賞作品


グランプリ(大賞)

経済産業大臣賞

株式会社アイリス
藤生 修一

フラットな四角のパーツをスパイラル状に変形させ、グラデーション風にかさね黒色に染色後、色落としを行い、ヴィンテージ感を表現した釦に仕上げました。

優秀賞

株式会社アイリス
海老名 壮一

無着色、無塗装、形状のみで様々な表情が浮かび上がるようなデザインを目指しました。

株式会社アイリス
小澤 範子

日本家屋にある格子窓をイメージし漆の縁取りに木の暖かな雰囲気に加え、伝統柄の金箔模様から窓に広がる景色の移ろいをボタンの中に表現しました。

株式会社アイリス
山本 将充

幾重にも重なった円が創り出す摩訶不思議な空間。

株式会社アイリス
山田 真帆

モザイクアートをイメージし作製しました。モザイク部分の素材はユリア樹脂の廃材に表面加工を施し、石目のように仕上げたものを使用しています。

島田商事株式会社
山本 利香

ボタンの中にGPSを入れて災害時の位置確認ができるボタンです。個人がメタバース(仮想空間)へと活動の場を移行する流れに添い、服にもGPSをつけることで災害時に役立ちます。ボタンは縫い付け、GPSは取り外せる構造となっているので、よく着る服にも取り付けることが可能です。

株式会社カナセ
尾崎 光雄

「幸運を知らせる虫」と言われているタマムシ。そのヤマトタマムシの光彩をイメージして作製しました。

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甲賀 ゆうこ

戦時中に金属の代用品として作られていた陶磁器製の軍服のボタン。 当時の製造技術を解明し現代に甦らせました。形状は陶磁器では 制作が最も困難とされた四つ穴です。釉薬で施釉したり独特の質感 の風合いや最新の転写技術を応用し、精密で自由度が高い色彩豊か なデザインとしました。背面は、スパッタと呼ばれる最新の科学技 術を採用。金を施し陶器の皿のような華やかな印象を与えました。 失われたしまった日本の工芸技術と現代の最先端技術を融和させた ボタンとなっています。尚、石油由来の材料が使用される事が多い ボタンですが、当作品は天然資材である陶石を使用し サステナブル な観点でも地球環境に配慮したものとなっております。

株式会社日東ボタン
小林 光博

リバーテーブルから着想を得たボタン。川の流れをイメージさせる涼しげなデザインで、春夏アイテムの爽やかさを、更に引き立てます。

文化服装学院・学生
山田 将人

ジュエリーデザイン科である自分の強みを生かし宝石を止める技法を使って、木のボタンを作成しました。木は余っていた小さな端材を使用しました。

仲内株式会社

単純に見えて複雑な加工を施した釦。1本のハトメでカシメられるように傾斜をつけ厚みを工夫し、差異がはっきりと分かるようにケシとツヤの組み合わせで仕上げました。

ペーパーデザイン部門 グランプリ

神戸ファッション専門学校
山口 玲奈

私自身裁縫が好きで普段から自分だけの服や小物を作っています。釦を縫い付ける際、糸や縫い方を考えるのも楽しく、そこで釦の一部も選んで組み合わせられたら絶対楽しい!私自身が欲しい!そう思えるものをデザインしました。

奨励賞

株式会社アイリス

相山 公男

株式会社アイリス

飯塚 康博

株式会社アイリス

朝山 牡丹

株式会社アイリス

高橋 一彦

クラウン工業株式会社

 

島田商事株式会社

江利山 郁子

株式会社カナセ

尾崎 光雄

清原株式会社

杉山 訓一

小澤 柚香

伊東 芯雨

審査員

田中 智之

デザインルームヒロセ 代表

正木 隆章

株式会社繊研新聞社 取締役副社長

大谷 時正

パルホールデイングス 元専務

小坂 直子

CO-代表 ボタンバイヤー

大隅 洋

一般社団法人日本釦協会 理事長

島田 昌建

一般社団法人日本釦協会 副理事長

斧原 正明

一般社団法人日本釦協会 副理事長

稲垣 利典

日本釦服飾手芸卸協同組合連合会 会長

総評

審査委員長 田中智之

デザインルームヒロセ代表

5年ぶりの開催のボタン大賞コンクール、 21回の歴史の中で新しい取り組みとして学生、一般を対象の ペーパーデザイン部門を設け400点余りの応募があり、 グランプリ作品をはじめ入賞作品はどれも優れていて、 釦業界に新風を巻き起こしてもらいたい期待でいっぱいです。

ボタンも時代の流れが敏感に感じ取られること必要不可欠で、 作品の多くにそれが感じ取られました。

大賞の藤生さんの作品も見た目モダンな感じですが、色のグラデーションを色落ちさせ、四角パーツをいくつも重ねた技ありの素晴らしい作品です。第1回以来の2度目の受賞ということで業界に長く携わってこられた熟練の技の集大成であったのではないでしょうか。

次回は2年後の開催になりましたが、目まぐるしい社会・トレンドの変化の中でさらに素晴らしい作品が応募されることを期待します。