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回転入れ?

既に御存知の方も多いかと思うが, ブロックが着地してから(空中の場合もあり)回転させると 一見入らないと思われるような隙間にブロックがはまりこむことがある。
これが「回転入れ」と称されるテクニックである。

ここで取り上げるのはアーケード(ゲームセンター)版, とくにセガ,アリカの仕様である。 ブロックの呼び名(色)も上記のものを基準にしている。 他社版は違うかもしれない。 なお,アリカ社製のテトリスでも Ti に搭載されているワールドルールではここに紹介する法則が 当てはまらない部分が多い。 ワールドルールでは回転入れに対する制約が緩く,おおむね「入るかもしれないものは 入る」と考えて良さそうである。

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 水    橙    青    紫    緑     赤    黄

色を付けてカラフルに図示してもよいのだが,やめておく。

有名な例

例として一番有名なかたちを示す:
左側(2列目最下段)をきれいに始末するにはどうするか?
・・・・・・・・・・
□・・・・・□□□□
□□・・□□□□□□
□□・・□□□□□□
□・・・□□□□□□
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青をずらせばよいが

もちろん青が来ればいいのだが,赤待ちが残るのが不安な場合もあるだろう。
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□・・・・・□□□□
□□・■□□□□□□
□□・■□□□□□□
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・・・・・・・・・・
□・・・・・□□□□
□□■・□□□□□□
□□■・□□□□□□
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水色はどうする?

水が来た場合。
・・・・・・・・・・
□・・・・・□□□□
□□■・□□□□□□
□□■■□□□□□□
□・■・□□□□□□
この瞬間に正回転(左回り)させると,
・・・・・・・・・・
□・・・・・□□□□
□□・・□□□□□□
□□■・□□□□□□
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初めて見ると驚くかもしれないが,ブロックは回転する。
これで嫌な隙間は無くなる(同時に1ラインが消えている)。

実は橙でも

・・・・・・・・・・
□・・・・・□□□□
□□■・□□□□□□
□□■・□□□□□□
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水と同様に正回転させると:
・・・・・・・・・・
□・・・・・□□□□
□□・・□□□□□□
□□・■□□□□□□
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見事に懸案解消。

なぜこのようなことができるのか

要するに回転後のブロックが 既に積まれたブロックや壁に当たらなければいい
回転の途中,「45度の状態」がぶつかるかどうかなどを考える必要はない。

ということで,それぞれのブロックがどのように回転するかを知っていれば 先の例に限らず多くのバリエーションを産み出すことができる。
以下に回転の様子を示す。 「0.」が落ち始めの状態で,数字の分だけ正回転(左回り)していく。

「花形」水

  0.    1.    2.    3.    4.
□□□  □■□  □□□  □■□  □□□
■■■  □■■  □■□  ■■□  ■■■
□■□  □■□  ■■■  □■□  □■□
注目すべきは 2. の状態で,このときだけ回転の軸がずれている。 先ほどの例はこれを利用したものだ。
4. の状態では軸が動かない。この違いを覚えておこう。

「重宝」橙

  0.    1.    2.    3.    4.
□□□  □■□  □□□  ■■□  □□□
■■■  □■□  □□■  □■□  ■■■
■□□  □■■  ■■■  □■□  ■□□
1. から 2. の変化が水と似ている。
「2. で軸がずれる」ことは水・橙・青の共通項だ。

「通好み」青

  0.    1.    2.    3.    4.
□□□  □■■  □□□  □■□  □□□
■■■  □■□  ■□□  □■□  ■■■
□□■  □■□  ■■■  ■■□  □□■
1. から 2. に変化するときに「頭でっかち」なので少し使いづらい。

「兄弟」紫,緑

点対称の図形で回転軸がずれる動きもなく,変化が少ない。
まずは紫から。
  0.    1.    2.
□□□  ■□□  □□□
□■■  ■■□  □■■
■■□  □■□  ■■□
次に緑。
  0.    1.    2.
□□□  □□■  □□□
■■□  □■■  ■■□
□■■  □■□  □■■
紫と緑は回転入れに関しては左右対称の違い以外は同じだ。

「実は非対称」赤

   0.     1.     2.
□□□□  □□■□  □□□□
■■■■  □□■□  ■■■■
□□□□  □□■□  □□□□
□□□□  □□■□  □□□□
回転の中心が右側にあることに注意。
これは回転入れというよりも, 高速で落下してくる赤を正確に操作するために必須の知識だ。

「仲間外れ」黄

回転しないのでどうしようもない。
 0.
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ザ・グランドマスターの場合

ザ・グランドマスター(製作はアリカ。以下TGMと略す)の場合は逆回転(右回転)が できるのでバリエーションが増える。 さらに,「壁補正」(壁回転ということもある)が存在する。 つまり,回転した後のブロックがそのままでは当たってしまうが 左または右に1ブロックずらせば納まる場合,自動的に修正して納めてくれる。 これにより少々無理と思えるようなときでも回転入れで入る場面が増えた。

赤は壁補正の対象外になっている。 壁補正をしようとすると下記の図のように 左右どちらにでも修正できる場合があるからではないか。
青や橙でも同様の問題は起こりえるがあまり深刻ではなく,壁補正が行われる。

・・・・・・・・・・
□□□□□□■■■■
□□□□□□□・□・
□□□□□□□・□・
□□□□□□□・□・

以下の図で, TGMでしかできない回転入れについては「※TGM※」を横に付けて明らかにする。

壁補正でこういうことができる

かなり厳しいかたちだが, 青1個で下の2ラインが消える。
・・・・・・・・・・  ※TGM※
□・・・・・□□□□  ※TGM※
□□・・□・□□□□  ※TGM※
□□・□□□□□□□  ※TGM※
□□・・・□□□□□  ※TGM※

・・・・・・・・・・  ※TGM※
□・・・・・□□□□  ※TGM※
□□■■□・□□□□  ※TGM※
□□■□□□□□□□  ※TGM※
□□■・・□□□□□  ※TGM※

・・・・・・・・・・  ※TGM※
□・・・・・□□□□  ※TGM※
□□・・□・□□□□  ※TGM※
□□■□□□□□□□  ※TGM※
□□■■■□□□□□  ※TGM※
直感的には信じがたいが,できるのだ。
回転の図(青の「1.」→「2.」)を見れば 右へ1マス壁補正されて上記の回転入れが成立することを納得できると思う。
もうひとつ挙げておく。こちらの例のほうがわかりやすいかもしれない。 レバーの操作は不要だ。
・・・・・・・・・・  ※TGM※
□□□・・□□□□□  ※TGM※
□□・・・□□□□□  ※TGM※
□・・・□□□□□□  ※TGM※

・・・・・・・・・・  ※TGM※
□□□■・□□□□□  ※TGM※
□□・■■□□□□□  ※TGM※
□・・■□□□□□□  ※TGM※

・・・・・・・・・・  ※TGM※
□□□・・□□□□□  ※TGM※
□□■・・□□□□□  ※TGM※
□■■■□□□□□□  ※TGM※

アリカ社製
Ti(=TGM3, TERROR-INSTINCT)のフォローのため ちょこっと更新(Mar. 29 2005,Apr. 11 2005)。
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