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地域ニュース 狛江タイムズ

[狛江タイムズ 0293号]
狛江市、住基ネットの安全性を調査へ
TEXT BY うちやま 2003/09/20 15:00:45
 狛江市は、この秋から、住基ネットの「安全性」について本格的な調査を始めます。住基ネットは8月に本格的な2次稼働になったばかり。
 その発端は、6月の議会で全会一致で議決された「住民基本台帳ネットワークシステムに対する狛江市の調査機関の設置を求める決議」(記事末にて全文を掲載)
 決議では「地方自治体が住基ネットのセキュリティーに問題を抱えたままで、情報漏えいなどに対するリスク管理への不安は、2次稼働を前にさらに広がっている」と指摘。「狛江市の個人情報保護のあり方やコンピューターシステムのセキュリティーに関して検証し、対応を提言する専門家等による調査機関の設置を求める」と結んでいます。
 全国では、長野県が同様の審議会で、ネット離脱を提言したほか、神奈川、埼玉などでも、検証が進んでいます。
 いま、この決議に見あった調査機関の設置要綱をめぐって、市当局の調整が続いている模様です。市としてどう対策するかというだけでなく、正々堂々と国の制度の是非についても踏み込む内容になることを期待します。



 「住民基本台帳ネットワークシステムに対する
         狛江市の調査機関の設置を求める決議

 昨年8月、住基ネットワークが稼働した。それに先立つ6月、狛江市議会第2回定例会において、稼働の延期を求める意見書が可決され、狛江市長も同趣旨の申し入れを国に対して行った。
 本年8月25日には、この住基ネットの第2次稼働が予定される中で、住基ネット稼働の前提と言われてきた個人情報保護法が5月23日可決・成立した。しかし、狛江市議会が期待した地方自治体と同等以上の個人情報保護法制が、国等の行政機関で整ったとは言いがたい内容である。
 したがって、個人情報保護法の制定によってネット接続を中断していた自治体の一部に接続再開の動きが見られるものの、一方で長野県や札幌市など新たに接続の中断に傾く動きも出てきているなど、国民と自治体のプライバシー侵害の懸念は依然として解消されていない。
 また、横浜方式の住民選択制を採用し、ネット接続を図る意向の杉並区や前述の長野県の審議会が指摘しているように、多くの地方自治体が住基ネットのセキュリティーに問題を抱えたままであり、情報漏えいなどに対するリスク管理への不安は、2次稼働を前にさらに広がっていると言える。
 住民の利便性、行政の効率化を目指すと言われながら、国によって一方的に押しつけられた感のある住基ネットだが、狛江市を初め多くの地方自治体にあっては、IT技術の専門家の不在や共通理解が不十分な中で、本人確認情報の適切な管理と必要な措置を求めている改正住基法上の使命を十分果たし切れていないのが現実である。
 よって狛江市議会は、狛江市の個人情報保護のあり方やコンピューターシステムのセキュリティーに関して検証し、対応を提言する専門家等による調査機関の設置を求めるものである。
 以上、決議する。

平成15年(2003年)7月1日
                      東京都狛江市議会


このニュースに寄せられたコメント


1 通りすがりのIT屋さん (狛江市) 2003/09/25 20:55:44
E-mail: HomePage:
「専門家」と言っても、この世には様々な専門家がいますからねぇ。

正直金が絡むと、クライアント側から結論を示されてから仕事を請けることもあるわけだし、残念ながらこれで何が変わるのだろうか?と思います。

もし真にセキュリティを確保したいのなら、行政担当者にセキュリティを確保する事に対するインセンティブが必要でしょう。今のままではアリバイ作られて終わりでしょうな。

2 清水信之さん (狛江市岩戸南4-27-8) 2003/09/29 08:18:15
E-mail:nob-shimizu@u01.gate01.com HomePage:http://rak2.oc.to
市議会のテーマを取り上げていただきありがとうございます。

ムムム・・、専門家にこう言われてしまうと言葉がありませんが・・・。

とうりすがりのIT屋さんからみると実効性に疑問ありとのことですが、確かに往々にして第三者機関への諮問といっても行政側が結論を誘導するということがありますので、ちゃんと検証が行われるか見届けなければなりません。

そこで私たち5名の議員(正木、大場、池座、鶴留、清水)はこの検証会議設置にあたり、市長の責務として「報告を尊重し必要な措置を講じる」などを加えた条例を議員提案しました。市長に縛りをかけようというわけです。その結論が今日の本会議でつきます。(当局は議決の不要な要綱でやるといっている)

ブラックボックスというか、化け物のような住基ネットに対してその対応にどの自治体も苦慮しています。
要はIT時代・デジタル社会のプライバシーをどう守るかということですが、ほとんどの政党政治家はこの議論についていけてないから余計ややこしくなっているのですね。

今日の結論はまたレポートさせていただきます。

3 通りすがりのIT屋さん (狛江市) 2003/11/12 16:22:03
E-mail: HomePage:
あまりにも後ろ向きな話だけではなんですので...

セキュリティなんてのは、「関係者全員が守りたいと切望」すれば結構簡単です。
問題は、「そんな面倒な事は聞きたくない、なかったことにしたい」という
意識を誰でも持ってしまうという事なんですよ。なにせセキュリティってのは
あって当たり前な物で、セキュリティにコストをかけても目に見える利益は
何にもありませんから。かえって使い方が面倒になったりしますしね。

関係者の意識さえ変われば、セキュリティはかなり向上します。世の中で
実際に起きているセキュリティ侵害事件なんてのは、大概呆れるほど馬鹿
馬鹿しい所に問題があるのです。
#単一パスワードを複数人で共有とか、アカウントの貸し借りとか、パス
 ワードを端末にPostItで貼ってあったとか...

なので、行政担当者にセキュリティを向上させたいと切望させるインセン
ティブが必要だと考えていますが、なかなか上手い案が思いつかないもの
です。


4 清水信之さん (岩戸南4-27-8) 2003/12/17 00:03:14
E-mail:nob-shimizu@u01.gate01.com HomePage:http://rak2.oc.to
ご無沙汰しました。

 実は上記決議に基づき狛江市の「住基ネットワークシステム検証会議」が明日からスタートします。委員は日弁連情報問題対策委員会(住基ネット反対の国民的運動を主導してきた)事務局長の二関辰郎弁護士とシステムエンジニア朝日監査法人の牧正人氏、そして行政経験者の土肥謙二氏の3人です。
 
 さて、田中康夫知事の長野県がセキュリティー実験をして安全性に真っ向から異議を唱えています。もうすぐ国立市の調査会議の報告書も出ます。狛江市がお茶を濁すような検証結果を出すのか否か注目されています。二関弁護士(新東京法律事務所)の奮闘に期待がかかります。

5 うちやまさん () 2003/12/27 01:07:32
E-mail: HomePage:
長野県が「侵入可能」を示すなどしている流れの中、お茶を濁すようなことにはならないでしょう。そう期待したいものですが。

インセンティブは難しいですね。ちょっとしたことでもしつこく「本人認証」を要求する堅苦しい職場にするのもなんですしね。

以上です

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