「坪口昌恭 PROJECT」の2nd CD '97年8月15日 IN STORE!!

album jacket image

東京の宇宙人

坪口昌恭 PROJECT
(TZBOGUCHI MASAYASU PROJECT)

坪口昌恭(Masayasu Tzboguchi) Keyboards & Voice
菊地成孔(Naruyoshi Kikuchi) Soprano,Tenor,Bariton Sax & CD-J
水谷浩章(Hiroaki Mizutani) Electric & Acoustic Bass
外山 明(Akira Sotoyama) Drums , Djembe

1. 孤独な深夜の天気予報 (Weather Infomation at Lonely Midnight) ['4"17]
2. 恋愛感情のシミュレーション (Simulation of Love Passion) ['10"46]
3. M.T. DNA ['2"15]
4. 貴方の知らない夜について (About the Night, You don't know) ['7"01]
5. 昆虫ギプス (Insect Gips) ['9"43]
6. 私の彼は宇宙人 (My Boyfriend is Spaceman) ['9"49]
7. Young & Fine ['6"12]
Total'50"03

All Tracks Composed by MASAYASU TZBOGUCHI exept 7. by JOE ZAWINUL
Recorded & Mixed at GOK SOUND Studio in Tokyo, March 13,14,15,17,18,19 / 1997
Recording & Mastering Engineer:YOSHIAKI KONDO
Mixing:YOSHIAKI KONDO & TZBOGUCHI, MIZUTANI, KIKUCHI
Cover Coordinate:MASAYASU TZBOGUCHI
Cover Art:MIDORI HARA
Photo & Graphic:TAKESHI FUJISHIMA
Production Coordinated by TAKASHI HIROKAWA (VIVID SOUND)
Produced by TZBOGUCHI MASAYASU PROJECT
Special Thanks to MASAKI SHIMIZU, YASUTAKA ISOFUCHI, TETSUYA MATSUMOTO
1997年3月録音  品番:VSCD-307  税抜価格2,800円
制作/発売/販売元:VIVID SOUND CORPORATION
<お問い合わせ>VIVID SOUND CORPORATION
Phone:03-3490-1070 Facsimile:03-3495-0830

坪口出演ライブ会場はもちろん、全国有名CD Shopにて好評発売中!
(都内では、disk UNION各店、新宿Virgin MegaStore、渋谷Tower Records、HMV、他)


<インターネットだけに公開する、坪口自身による曲目エピソード>

1.孤独な深夜の天気予報名付け親:菊地成孔作曲年月:1997年2月
 今回のレコーディングのために書き下ろしたスローバラード(と言えるかな?)。'96年秋、本PROJECTのライブで初めてモノホンのFender Rhodesエレクトリックピアノを用いた。そのライブの感触が良く、その余韻もあってか今更のように(今だからこそ)'70年代エレクトリック・マイルスや初期の頃のウェザー・リポートにハマってしまい、持っていないタイトルを買いあさった。だからはっきり言って、この曲はマイルスの”LIVE EVIL”の「Little Church」やWRの”MYSTERIOUS TRAVELLER”の「Blackthorn Rose」に代表されるスローバラードに影響を受けて書いたものだ。タイトルに「〜天気予報」とあるのは当然WRに引っかけたもの(おこがましいので英タイトルは"Weather Infomation"としたが)。テーマの終わり際、ストリングスが広がりサックスが駆け上がるあたり「ウェザー風速最大」(?)となる。


2. 恋愛感情のシミュレーション名付け親:赤木徳顕作曲年月:1994年7〜10月
 今回収録した中では最も古い曲。この曲を作曲している間にはいろんなことがあった。1st Albumのレコーディング、一度目の結婚、ニュージーランドへの演奏旅行、エジプトへの新婚旅行。そんなわけで作曲期間は長かったが、いろいろなインスピレーションが反映されて、このようなラプソディー的な作風になったワケ。
 この曲で恋愛のシミュレートができているかどうかはみなさんの想像におまかせするが、元来シミュレーションは好きなようだ。鉄道模型やミリタリーミニチュアにはお世話になったし、美術館での実物よりカタログの方が落ち着いて見れたりする。ピンボール・シミュレートゲームも好き。生ドラムをリズムマシーンで再現するのに命をかけていた時期もあった。アフリカ音楽をシーケンサーでシミュレートした「アフロポリ」も作っているしね。
 冒頭テーマ直後のハモンド+DOEPFERシンセソロの部分は、水谷極太ベースのルート音がEであり、本アルバム中最重低音のシーンである。


3. M.T. DNA名付け親:坪口昌恭作曲年月:1996年11月
 1996年11月3日の新宿PIT INNでのライブのオープニングBGMのために作成したもので、MacintoshのシーケンサーVisionでの打ち込み作品。前半、リズムをわざとぎくしゃくさせているが、納得のいくメロディーとハーモニーがあるからこそ生きてくる。ただリズムをアブノーマルにするのは簡単。やっぱり”泣き”(笑いでもいいけど)があって、それをより深く感じさせるためのダマシ絵でなくちゃね。そういう意味で今は亡きティポグラフィカは尊敬・共感に値する。
 メロディーはYAMAHAのDX7IIだが、このような透明感のあるオルガンサウンドはDX7ならでは。大学時代に購入(福井県の第一号機!)して使いまくったのがDX7だが、一時代を経た今こそ、その良さを再確認している次第である。


4. 貴方の知らない夜について名付け親:菊地成孔作曲年月:1996年11月
 この曲のメロディーは、一気につるっと出てきた。と同時にシーケンサーに録音し、すぐさま楽譜をプリントアウトした。その後、M.T.コード・プログレッション(めずらしくII-V多用)を施し、こうなった。サックスがタメたり揺らいだりしているが、そのタイミングは全て譜面に書いてあり、実は凛とした曲なのだ。M.T.曲としてはわりかしアダルトな雰囲気の曲であり、菊地氏も特に気に入っている。
 イントロは宇宙人M.T.ManがUFOで舞い降りて、地球人たちとコンタクトをした場面(?*。☆?)。
 この曲のリズム・グルーヴ(水谷ウッドベース炸裂!)を聴いていると北海の荒海を見ている気になるのは俺だけかな?。


5. 昆虫ギプス名付け親:坪口昌恭作曲年月:1995年5〜6月
 我がM.T.星では、罪を犯すと昆虫型のギプスに入れられてしまうのだあぁ・・・まあいいや。私は昆虫の中では斑猫(ハンミョウ)が一番好き。コンパクトでバランスが良くて背中が虹色で益虫で(ここがポイント。M.T.Manは正義のヒーローなので)。実物は一度だけ田舎の山で道案内された(ハンミョウは道案内するので有名)ことがあるくらいで、なかなかお目にかかれない。そのように希少価値のものに憧れる性格は、少年時代から変わっていないようだ。
 比較的ポリリズム的なアイデアを盛り込んだ曲であるが、このメンバーでやると難しく感じない。なんとありがたいメンバーだろう。そうそう、その時レコーディングを見に来ていたハラミドリさん(ヴォーカリスト)が、「昆虫ギプス」にアコピをオーバーダブしている時に、次のような情景を思い浮かべたそうなので転載する。
 『きたろうのオヤジ(目玉おやじ)がだんだん巨大化していって、最後は地球の大きさにまでなってしまい、最後には黒目の部分が海になって、海になったと思ったらぐるぐる渦巻きになっていって、そこからいろんなものが飛び出してきたのです。すると、おしりの大きい金髪の女性(髪をふたつにわけてしばっている)がパンツいっちょで後ろ向きによつんばいになって(ピンク色のTバックのパンティーをはいている)音楽に合わせてこまかく体を動かしていたのです。』


6. 私の彼は宇宙人名付け親:菊地成孔作曲年月:1997年2月
 ミニムーグやオルガンがメロディーをとるからか、モンド・エレクトロニクスの巨匠ディック・ハイマン的なテイストもあると言われる、比較的ポップなチューン。前半モータウン、スカ、後半アドリブ展開部分は人間ドラムンベースといった要素が出てくる。だがしかし、このメンバーでやるとソノモノには決してならない。そこがいいんだけど。
 この曲に見られるような外山さんの当たり前なロックンロールパターンって、かえってカッコイイとつくづく思う。でも、ライドシンバルやフィルインのポリリズミックなアプローチは外山さんならでは。あとドラムンベースもどき部での水谷さんのベースは聴きもの。それから菊地さんのバリトンサックス・ソロは名演だと思うよ。
 曲名は菊地さんが付けてくれたが、なんだかM.T.Manにとって「恋人募集中!」みたいなタイトルなのでいやだと思ったが、慣れてしまった。今やピッタシだと思う


7. Young & Fine
 他に3曲、このアルバム収録候補のオリジナル曲があったのだが、それをキャンセルしてまで収録した、思い入れのこもったカヴァーテイク。ジャズ・フュージョンファン(ひょっとしてプログレファンも)にはお馴染み、ウェザーリポートの”MR. GONE”(1978年)に収録された名曲である。ステップスなども取り上げているが、ただFake Book(Cメロ譜の載ったジャズの曲集)を見て俺たちなりのインプロヴィゼイションを聴かそうというのではなく、アシッドorクラブミックス的なアプローチで作り上げたもの。曲の使用に関しては来日中のジョー・ザヴィヌルさんに直接会って、テープと英文手紙を渡して承認を得たので大丈夫。
 そんなわけで、WRへの敬意も込めて、オリジナルでピーター・アースキンが重要なハイハットをプレイしていたのにちなんで、サンプリング・ループの上に外山さんにもハイハットとジンベ(ジャンベ)をオーバーダブしてもらった。
 イントロのキチガイ・スキャットは誰だろう?って、すぐわかっちゃいますね。「こんな感じのシンセSEを後で入れます」という仮歌のつもりが、GOKの近藤さんがしっかり録ってくれて・・・いやあ声の表現力はすごいと我ながら思う。いろんなパート歌っちゃうの好きだし。で、そのシンセSEをはじめ、全編ARP Odysseyを使用。この曲の場合ムーグよりARPの方がハマった。

------------------------------------------------------------------

 最後になったが、キーボードに関しては、この楽器はこの音しか出ないというものばかり使用したせいか、我ながら味わいのある飽きのこないサウンドになったと思う。それからソロはもちろんとしても、エレピのバッキングにも耳を傾けてもらえると、より深くアンサンブル〜インタープレイの妙を味わっていただけるかと思う。
 てなわけで、我ながら聴きどころ満載のアルバムとなった。1st.よりもみんなで作り上げたという印象が強く、出来上がったときの喜びもひとしおだった。外山さんの体調が最悪だったので、本人曰く「もう一度録りたい」と言っているものの、そう思わせないパワフルな演奏だし、メンバー全員が自ら気に入ってくれているので、バンマスとしてこれ以上の喜びはない。3rd.作るのも楽しみだ。


CD発売直後の各音楽誌ディスクレビューより

<Keyboard Magazine '98 4月号(松前公高のテクノ打ち込み塾)より>
●松前先生のはみ出しコーナー「クロスオーバーか? フュージョンか?」
 いつの間にかこのコーナーは、音楽ジャンル別に何枚かのCDを紹介するのがパターンになってきました。今回はフュージョンです。以前はクロスオーバーとも呼ばれ、本来さまざまな音楽ジャンルがクロスオーバーしたものを呼ぶものでしたが、ジャズが何か別の音楽要素を取り入れたもののことを言うようになり、ポピュラー・ミュージック、ロックなどを取り入れた親しみやすいジャズという、なんかヘンなイメージだけが固定された感覚もあります。この辺を議論すると、この文字数じゃ結論が出ませんので、それについては中途半端にしておいて、僕の解釈による僕の好きなフュージョンについてだけ紹介します。
 〜中略(ジャン=リュック・ポンティ、エグベルト・ジスモンチ、野呂一生のアルバム紹介)〜
 僕が選ぶ昨年のベスト・アルバムは、坪口昌恭プロジェクトの『東京の宇宙人』。フュージョンの対極からフュージョンをとらえた素晴らしい作品です。みなさんもぜひ聴いてみてください。
 ああ行数が足りない。まだジョンスコもジャコパスもメセニーもブレッカーもホールズワースもチックも紹介できていないのに……。
 〜後略〜 <松前公高

<Swing JOURNAL '97 11月号>
 キーボード奏者坪口昌恭を中心としたカルテットによる『東京の宇宙人』はフュージョン的なサウンドの中で、独自のスタイルを追求しようとしている興味深い1枚だ。2.など極めてウェザー・リポート的なサウンドではあるが、その中から坪口のキーボードは抜け出ようとしてさまざまな試みを展開していく。強力なリズムをバックに縦横無尽なフレージングを試みるプレイは痛快この上ない。7.はウェザーのレパートリーとして知られる曲だが、これも彼ならではのアレンジとアイデアで独自のサウンドを創出してみせる。1970年代のサウンドから出発した音楽を現代のミュージシャンがどう受け継いでいるのか、そんなことが見えてくるようでなかなか興味深い作品になっている。<小川隆夫>

<MARQUEE '97 Vol.3より>
 これぞ正調フュージョン・リバイバル、ってか。P.O.N.にも参加しているkbd奏者坪口が元ティポグラフィカの菊地、水谷、外山と制作したリーダー作第2弾。エレピどころかハモンド、ムーグまでくり出し、何のひねりもなく(曲はひねってるけど)あの70's後半のフュージョンの質感を完璧に再現している。エッチな菊地のsaxで始まり、こりゃ普通かな?と思わせるが聴き進むにつれ超スリリングなパートあり、D.スチュワートばりのユーモラスなkbdありと、遊び心とテク&センスの絶妙なバランスで何とも楽しい。演奏もすごく楽しげだし。<中島>

<Rhythm&Drum Magazine '97 9月号(外山明特集)より>
 坪口昌恭(key)のソロ2作目は、外山明、水谷浩章、菊地成孔というティポグラフィカの3人が参加。70年代ハードフュージョン的な楽曲に対し、縦横無尽に叩く外山のドラミングが印象深い。これも「Frorting Opera」と同時期に録音。(97年)

<Sound&Recording Magazine '97 9月号より>
 新宿ピット・インなどで活躍中のキーボーディスト/アレンジャーの坪口昌恭率いる坪口昌恭プロジェクトが、2ndアルバム「東京の宇宙人」(VIVID SOUND)をリリースした。バックに菊地成孔(sax)、水谷浩章(b)、外山明(ds)の故ティポグラフィカ3人衆を従え、“70年代ハード・フュージョン・リバイバル”的な世界を展開している。今年はフュージョンだ。

<Stereo '97 10月号より>
 適度な遠近感でカチッとした各音像をフォーカス、ベースが深々とした響きで底辺を支えている。各音像はクリアな定位をみせ、アコースティックは淀みなく、広々とした広がり。
 総合点9.4でBest Recordings(CD優秀録音)にノミネート。




Back to Home