「坪口昌恭 PROJECT」の1st CD '95年10月25日発売!!

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M.T.Man

坪口昌恭 PROJECT
(TZBOGUCHI MASAYASU PROJECT)

坪口昌恭(Masayasu Tzboguchi) Piano , Synthesizers , Pianica
菊地成孔(Naruyoshi Kikuchi) Soprano & Tenor Sax
水谷浩章(Hiroaki Mizutani) Electric & Acoustic Bass
芳垣安洋(Yasuhiro Yoshigaki) Drums , Percussions
鬼怒無月(Natsuki Kido) Electric & Acoustic Guitar [on 3. 6. 7. 8. 9.]

1. Leisure Land ['6"46]
2. 鉄道少年 (Railway Lover Boy) ['7"34]
3. National Condom Week ['5"05]
4. 胎児の記憶 (Remembrance during a Fetus) ['6"47]
5. やどかり (A Hermit Crab) ['3"37]
6. ガングリ音頭 (GanglionDo) ['5"19]
7. M.T.Man ['5"27]
8. Trihedron ['3"25]
9. 音楽家を裁く法律 (Law Against Musicians) ['10"18]
Total '54"34

All Tracks composed by MASAYASU TZBOGUCHI
Recorded & Mixed by YOSHIAKI KONDO at GOK SOUND Studio in Tokyo,
July 22,23 & August1, 2 /1994
Cover Art : KATSUUMI NIWA
Photo,Cover Design : TAKESHI FUJISIMA
Production Coordinated by YASUAKI SAWAI(ISIS RECORDS)
Produced by MASAYASU TZBOGUCHI
Special Thanks to TOKUAKI AKAGI
1994年7月録音  品番:ISIS-0109  税込価格2500円(税抜き2427円)
制作:ISIS RECORDS 発売:ART UNION RECORDS
<お問い合わせ>VIVID SOUND CORPORATION
Phone:03-3490-1070 Facsimile:03-3495-0830
(全国主要都市有名CD Shopの他、Live会場等でも販売いたします)


<インターネットだけに公開する、坪口自身による曲目エピソード>

1.Leisure Land名付け親:坪口作曲年月:1992年11〜12月
 声楽家丹羽勝海氏(CDジャケは彼の絵)と共演した際、Mac.の"M"を用いて
ポリリズミックなアレンジを試みた。これを生演奏でやれば?という発想と
Philip Glassを聴いた時期とが一致した。Glassを聴いて、独自の作曲手法
を確立することの重要性を感じ、発想の転換(再認識)にもなった。例えば
「息つぎをする(歌心のある)音楽が必ずしも人間的であるとは限らない」
「楽器にこだわらず音そのものにこだわる」など。
 近年の大学運営の傾向として、18才未満の人口減少に伴って、学生数
獲得のために本質に相反するような動きが見られはじめている。入試はな
くなり、キャンパスは娯楽施設「レジャーランド」の様を呈し、いずれ教授
たちは観覧車の切符切りと化してしまうのか?
 なお、本テイクは「AXIA Artist Audition '94」でのベースマガジン賞受
賞曲でもある。


2. 鉄道少年名付け親:坪口作曲年月:1993年5月
 私はいとこの影響で鉄道模型が大好きであった。また、実家の近くを北陸本線
と私鉄が走っていたため、列車の通過音を聞いてリズム感を養ったものと思
われる。今でも、田舎町や路面電車のレールを見るとスリスリしたくなる。
 この曲を作っていたころチャイコフスキーのくるみ割人形に今さらのように
感動していた。従って、出だしは"Overture"に似ておりKeyは"Chinese
Tea"と同じB♭となってしまった。
 後テーマの部分はケニアで購入した横笛で作り、Keyもそのまま採用した。
初演では能管の一曾幸弘氏も交えて行ったことを思い出す。途中やかまし
く激しくなるところは鉄橋を渡っているところである。


3. National Condom Week名付け親:赤木徳顕作曲年月:1990年6月
 出産制限のために、国の命令で「コンド−ムをつけてセックスをする週間」
をもうけてある国があるそうだ。その話に感銘を受けた友人が曲名を付けて
くれた。
 ちなみに中国では、一人目が男児であったら二人目を作ってはならない、女
児ならばもう一度トライしてよいが二人目も女児であったらそれはあなたが
たの技術が下手だとして、三人目を作ることは許されないのである。


4. 胎児の記憶名付け親:坪口作曲年月:1992年3月
 前世の記憶を持つ子供は、東南アジア、インド、中国という多産系の民族に
多い。また、言葉をしゃべれるようになると、前世の記憶を失っていくこと
がわかっている。
 オキシトシンという陣痛を起こすホルモンは記憶を消す作用をする。安産の
多い多産系の母親ではオキシトシンをわずかしか分泌しないで済むから生ま
れてくる子供は前世の記憶を失いにくい。
 私は熱を出して寝込んでいる時などに、何か大きくて柔らかくて気持ちの良
いものに包まれる感覚を味わうことがごく稀にある。母の体内にいたときの
ことを思い出しているらしい。
[参考:'92 4/7日経産業新聞]


5. やどかり名付け親:坪口作曲年月:1993年7〜8月
 植村昌弘氏率いるP.O.N.のメンバーになるだいぶ前、Demo.制作を手伝った
ことがある。その難解な曲を譜面に起こすためにMac.をいじっているうちに
インスピレーションが湧き、作曲した。それをMirror機能によりMIDI Data
をリバースさせ、後半に貼り付けた。さらに植村氏のアレンジアイデアを取
り入れて完成させた。その頃、生まれて初めてスキューバダイビングを体験
し、海の中で「空を飛ぶ気分」を味わった。そしてヤドカリと仲良くなった。
 エスニック、ワールドミュージックが一時期ブームだったが、例えば、アフ
リカ人やインド人を我々のバンドに混ぜて民族音楽的と言うのはあまりにも
安易である。我々のようにテクノロジーの発達した都市に住みコンピュータ
ーをいじるのも楽しいと思う人種にとっては、幾何学的な譜面を書き、シー
ケンサーでしこしこ打ち込んで作る音楽の方がよっぽど我々にとっての民族
音楽といえるのではないか。


6. ガングリ音頭名付け親:坪口作曲年月:1992年9月
 芳垣安洋氏をはじめとする関西のジャズ集団"First Edition"の曲の中に、
モータウン風のマイナー・ブルースがあった。その部分が新鮮でカッコよか
ったのに加えて、ゲスト出演していた梅津和時さんのSoloは圧巻であった。
ある時期若手ばかりに目がいっていたが、改めて第一線ベテランジャズメン
のパワーを見せ付けられた気がした。"マイナー・ブルース・モータウン風"
をこの曲にも取り入れた。
 ギターソロのバックでは、Gok Soundにある有名なゴックボードに芳垣さん
と私でいろんなモノを投げつけて騒然となっている。楽しかった。鬼怒さん
ごめんなさい。
 これを作曲していた頃はまだ右手首ガングリオン摘出手術をしようかしまい
か迷っていた。


7. M.T.Man名付け親:坪口作曲年月:1991年7月
 トルコの軍楽を聴いているうちに、メロディ−と打楽器だけで印象に残る曲
が作りたくなり、泣きのコ−ド進行(?)を伴ってこうなった。
 M.T.は「つぼぐちまさやす」のイニシャルである。小学生の頃私は正義のヒ
−ロ−に憧れ、よくM.T.Manごっこをして遊んだ。そのヒ−ロ−とは既成の
ウルトラマンやキカイダ−等を真似たり伝承したものではなく、それらに影
響を受けつつもオリジナルなヒ−ロ−であった(相当影響を受けている)。
その後バ−ジョンアップしてM.T.Swallowとなることは弟(T.T.Man)も知って
いる。
 ヒーローの条件は「無敵とはいえず、どこか弱点を持ってはいるが、最後に
は人々を勇気づける」ことだと思う。


8. Trihedron名付け親:坪口作曲年月:1989年5月
 Ornette Coleman & Pat MethenyのSONG X、Steve Lacy Sextetの
「ドレミフリ−ジャズ」を聴いて触発された曲。ある日千葉市内を歩いてい
ると突然このメロディ−が浮かんできたので、あわてて譜面にした。
 Trihedron(トライヒードロン)とは三面体のこと。この曲は" 3 "という
イメ−ジが強い。3連符が多く、KeyはE♭、Piano,Sax,BassのTrioで演奏
するべく作られたからだ。
 '93年に入り、主に鬼怒無月、勝井祐二(Violin)Trioでのレパートリーと
なる。


9. 音楽家を裁く法律名付け親:坪口作曲年月:1993年2〜4月
 右手首のガングリオンを摘出して左手しか使えない状態の時に、鉛筆一本で
メロディーを綴っていった結果出来上がった曲。Henry CowやJohn Zoneの
コラージュフィルムなどに影響を受けていると思う。
そりゃまあWeather Reportも好きだけど・・・。
 後半、Go-Goに乗って無調テーマが出てくるところはチャックブラウンだと
思って踊って下さい。


CD発売直後の各音楽誌ディスクレビューより

<Jazz Life '96 1月号より>
(前略〜)本作は、坪口が「自己の衝動によってのみ育まれてきたプロジェクト」として、意欲的なライヴ活動を展開している強力ユニットによる初アルバム。タイトルの"M.T.マン"とは、坪口が小学生の頃に自らをこう称して遊んでいた正義のヒーローのことで、ユーモラスなメロディを持つ坪口のオリジナル曲は、どれもナイーヴな温かみを感じさせる。特にタイトル曲(7)のふっきれた楽しさは抜群だ。共演陣も素晴らしく、中でもサックスの菊地と全体を活性化させている芳垣のドラミングが印象的。<鈴木 香>

<ミュージックマガジン '96 1月号より>
(前略〜)曲作り、アレンジにはザッパ、トッド・ラングレン、ある種のプログレに近いものを個人的には感じた。難解そうで親しみやすく、ソロ、全体ともに新鮮。

<ジャズ批評 No.86より>
首都圏のライヴハウスで精力的に自己のプロジェクトを推進してきた坪口の現代に生きる者としての音楽的アイデンティティを提示。エクレクティックな曲想・アレンジは板について、スムーズに展開していく。不思議な情感が漂うサウンド。

<Swing Journal '96 1月号より>
M.T.Manこと、ピアニストの坪口昌恭をリーダーとする坪口Projectのデビュー作。このカルテット、一部で人気沸騰中の"ティポグラフィカ"等、東京のライブ・シーンをにぎわせている話題バンドにも参加している、30歳前後の精鋭達が集っているが、全員実に楽しげにあっけらかんとして音を紡いでおり、ジャズに向けられたそのしなやかでポップな視線が印象深い。ラテン・リズムに乗って無心に戯れる(3)、マーチとジャズ・ロックの間を威勢よく闊歩する(7)等、リーダー坪口のいう"天然色ジャズ童謡"サウンドが、爽快に弾けている。(小西啓一)

<ROTTERS' PAPER 27より>
 坪口昌恭(p,synth,ピアニカ)、菊地成孔(sax)、水谷浩章(b)、芳垣安洋(ds)の4人が正式メンバーで、5曲ではさらに鬼怒無月が加わるという強力編成だが、先鋭性は一見薄く、比較的聞き易いジャズ。しかし実は坪口の曲にはきわめて頑固な個性があって、独自の魅力を保っているのだがこれが言葉にしづらい。本人自身の解説を引用すると『楽園ジャズロック〜天然色ジャズ童謡〜ネオ・フュージョン楽天派』とかなり適切な言葉で紹介されている。私なりに無理矢理言ってしまうと、坪口の魅力というのは「子供の頃の楽しい記憶のみを純粋培養したような、奇妙な明るさと懐かしさ」。本来畑違いであろう私のような人間をもついついしんみりとさせてしまうだけの、説得力ある楽曲構成がこれを支えていることも忘れてはならない。
 ところでこのサウンドには「ピアニスト」のバンドであることが必要であるように以前から感じていた。ライヴで編成が大きくなると(私の見た範囲では)アコピがかき消されがちで、トリオ編成がベストなのではと。しかしさすがに本CDでは、他楽器の音量に負けずにアコピがしっかりと主役となっており、この点では大満足。その上で菊地や鬼怒が的確な彩りを加え、楽曲の魅力を引き立ててくれている。リズムセクションを含め強力バック陣は総じて余裕を持った好サポートという印象だが、ラスト10分超の「音楽家を裁く法律」では、各人のプレイヤーとしての主張が交錯する場面も生まれており、硬派的な視点からも満足できるのでは。ロックサイドから見た場合の表面的なアピール力は弱いものの、じっくり聴き込まれるべき力作。[登美]

<Stereo '96 2月号?より>
キーボード奏者のプロジェクト。若手実力派が参加。ジャズ、フュージョン、ロック等をミックスしたサウンドで、心がうきうきするような楽しい演奏だ。
各音像に分厚くエネルギーを肉付けたメリハリの効いたダイナミックなフュージョン。左右への広がりも自然で、アナログ・ニュアンスの安定したサウンド。
総合点9.6でBest Recordings(CD優秀録音)にノミネート。


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