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夏の飲料の定番、麦茶。麦の粒をくだいた水出し用ティーバッグもあるが、粒のままの丸麦を煮出して作る、昔ながらの麦茶の味は格別だ。下町風情を残す東京都江戸川区の小川産業では、丸麦にこだわった麦茶を生産している。
「粒をくだけば少ない量で早く色の出る麦茶が作れます。でも、それだと苦みや渋みなども出て、本来の上品な味や香りが失われてしまう。見た目にも美しい透明感が出ません」と同社社長の小川良雄(49)は語る。
原料は国産の六条大麦。中でも高品質とされる関東産を使う。市販の麦茶には外国産の麦を使っているものが多いが、味わいは国産品が上。こだわりは原料だけでなく、伝統的な石釜で二度煎りする焙煎法も特徴だ。大谷石を組んだ石釜で、加熱した砂とともに丸麦をかき混ぜて煎る。
「石焼きイモが美味なように、石や砂から放射される遠赤外線が麦をおいしく煎り上げ、麦をポップコーンのように、はぜさせます」
市販品は熱風を使った焙煎機で煎るのが一般的だが、熱風焙煎だと麦がはぜない。麦がはぜることでうまみが出るそうだ。また一度の焙煎で仕上げると表面だけが焦げて、苦みが出てしまう。二度煎りして中まで均等にじっくりと熱を通し、麦の甘みを引き出している。
こうした伝統の製法を守りながら現代的な使いやすさも考えて、1回の使用量分ずつをピラミット型のティーバッグは中で麦が踊るため、味が出やすい。バッグの素材は食品用に開発された安全性の高い繊維だ。
「水出し用の麦茶は確かに便利ですが、麦茶本来の風味は乏しい。中には色が出るようにカラメル色素などで着色したものもある。しっかり煮出すことで水もまろやかになり、日持ちもします。夏場でも冷蔵庫に入れておけば3日ほど持ちますよ」
こだわりの麦茶は風味高く、すっきりと清涼感あふれる味わい。ノンカフェイン、ノンカロリーで、子供もお年寄りも、カロリーが気になる向きも安心して飲める。また夏の暑さで失われた水分の補給にも、もってこいの飲み物だ。
そのまま飲むほか、牛乳で割って甘みを加えたり、焼酎の麦茶割りなどもよく、特に麦焼酎と相性がいいという。
「麦茶というと夏の冷たい飲み物と思いがちですが、冬は温かい麦茶にはちみつや砂糖を加えても美味ですよ」
おいしくて健康的な麦茶を大いに活用したい。
産經新聞(平成16年5月24日分)フジテレビ商品研究所提供
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