かもねぎショット+オフィスコットーネ公演 『窓』
   2004.8.7〜8.15 下北沢ザ・スズナリ
   作・演出 ● 高見亮子
見てはいけないものを見るとドキッとする。

慌てて目をそらし、ドクドク鳴っている鼓動を抑えつつ、何も見なかったフリをする。 悪気はなかったとはいえ、自分が一瞬の罪を犯した気分になる。でも、「ドキッとした」のは、「罪を犯した」せいではない。 見てはいけないものが、実は私がみたかったものだったからだ。 瞬時のうちに「もっと見たい」という欲求が心臓を打ったのに違いない。もし、私自身が誰の視線にもさらされていなければ、私は欲求のままに見続けているに違いない。
そもそも、私は、見たいものだけを見て生きているのではあるまいか。デパートに入れば見たい商品だけを見る。美術館に入っても見たい絵だけを見る。 何度引き返しても目印に教えてもらったタバコ屋が見つからなかったのは、その度に私がタバコ屋の向かいの靴屋を見ていたからだ。電車の中でチワ喧嘩をしているカップルよりも、それを横目でウカガッテいる隣人を見る。今日は朝から不機嫌な友人の、それでも何かの拍子にちらっと笑ったその笑顔だけを見る。弱虫の涙からは目をそらし、強い人間の涙は食い入るように見る。
イケナイ。きっと私は、見たいものだけを見て、見たい世の中にだけ生きているのかもしれない。しかし、本当の世の中に生きている人は、果たしてどれほどいるのだろうか?
高見亮子



「知的で刺激に満ちた推理劇」と絶賛された初演から6年、待望の改訂版!!
photo/Gasho Ito

『窓』 アンケート(メール)抜粋

・いくつかの事柄を同時に組み立てられそれが一つの物語になるんだもの。すごい!今回は多角の視線が入り乱れ、舞台が回っているのかこちらが回っているのかわからなくなってしまうようで面白かった。
・圧倒されて会場出ました。気が狂って幸せなのでトーク聞きたくないから出ました。まだ虚構の中に浸っていたい。本物の意見や感情等聞きたくない。凄い力の舞台見た。鳥肌たつ。見事としか言いようない今は。夢みながら帰ります。励まされました。感謝します。
・ひとつの部屋の中が幾様にも見えた。スリルもあり、おもしろみもあって、かさぶたを1枚1枚はがしていくみたいにおもしろかった。
・とても良かったです!!!深〜い話だと思うので、ゆっくりそのおもしろさをかみしめたいです。役者さんもみなさんすばらしかったです。
・どんどんひき入れられる感じがいい。
・途中から話がダブるところがとくに面白かったです。
・ほのぼのして心がなんかあたたかくなりました。
・久々に「おもしろい!」と思える芝居を観た気がします。
・ネタのあるギャグではなく、ことばや会話のあや、きびによるあえかなものなのに、それがものすごくおかしく、何度も高笑いさせていただきました。明瞭なギャグを考えるのより、そういうものの方がわざわざつくるの、ずっと難しいと思います。そこが高見さんの魅力のひとつ?! 
・イントロのシーンが、不思議で意外な演出で面白かったです。本編も複雑な構成でしたが、なかなかハートウォームストーリーで良かったです。
・ルネ・マグリットみたいな話だった。本当に不思議な舞台でした。
・発想がおもしろかった。何の変哲もない窓の風景から発展する想像と現実の構成の差がよかった。
・見えていること、見ること、見えているもの。見るのはかんたんだけど、本当のことを見るのはとてもむずかしい…。私は存在しているけど誰が本当の私を知っているのか、自分自身でさえもわからないと思います。薫子は、隠されて、本当のことが見えていなくてかわいそう。途中、男1の空想の小説がおもしろいのですが、どの話が本当のことなのかわからなくなりました。それもねらいなのかな? 
・笑いながら、ドキッと考えさせられるとことがある。
・久しぶりに集中して見入ってしまったので疲れました。でもとっても面白いお芝居で、別の作品もぜひ見てみたいと思いました。
・今見ていることは何なのだろうか…また半年考えることにします。
・登場人物一人一人の個性がとても魅力的で、人の心をのぞくという演劇の楽しみを存分に味わせていただきました。劇的ではなく、日常が日常的であって興味をひかれる、すごく楽しい時間と空間でした。
・複雑なストーリーと絶妙のタイミング。とってもおもしろかった。
・ある種の喪失感とそれだけではないところへの一歩がよかったです。
・もっと堅い感じのものかと思っていましたが、笑えました。とってもおもしろかったです。マリーが好きです。
・ストーリーが良かったし、最初の筒井康隆の小説っぽい設定もよかった。
・難しいけど面白かったです! 
・段々と謎も笑いも高まっていって、最後まで面白く見れたお芝居でした。見終わった後で、色々振り返って「あれはどういう事だったのだろう」「これはこういう意味かしら」と想像するのも楽しかったです。
・メリーがすてきでした。メリータイムのカタイ動きの沢井さんもすてきでした。
・最初は複雑な感じがしたけど、確かに自分を客観視することは難しいけど、気付くことで全てが変えられると思いました。
・窓から見えない部分に興味をもてた。
・何か不思議な感じがいつまでも残っている。誰が誰で誰とどう関係しているのかが見方によって変わっていく。
・今回も本当に面白かった!舞台構成もとても変わっていて楽しい。ストーリーもとても意外性があって、いつもでもいつまでも見続けていたい心地よさがあった。
・小説の中の登場人物が舞台に現れてくるなんて想像もしていませんでした。高橋源一郎の小説を読んでいるような気がしました。
・立体推理パズルをほどいているようで面白かった。
・すごくわかりにくい話かなーと思ってたんで、すごくおもしろかったです。極上の推理もの、見た気持ちです。
・舞台装置がとてもよかったと思いました。
・バックグラウンドの違う演者が個性をきちんと発揮しているのはいいですね。

作・演出 高見亮子
出演 松田洋治 / 田岡美也子 / 多田慶子 / 大草理乙子(ラッパ屋) / 杉嶋美智子
清水直子(俳優座) / 高見亮子(かもねぎショット) / 栗栖千尋(かもねぎショット)
音響 加藤ちか
照明 中川隆一
音響 藤田赤目
舞台監督 上野博志(バックステージ)
撮影 伊藤雅章
宣伝美術 西山昭彦
製作 (有)オフィス コットーネ
主催 かもねぎショット
協力 永山裕子・矢野靖人
Company staff 松本朋子・藪内健博・森本里美