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禁忌・相互作用薬

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A.疾病禁忌

病気や体質によっては合わない薬や思わぬ副作用がでることがあります。たとえ市販の薬でも安心できません。緑内障の方が、カゼ薬を飲む時は注意が必要です。カゼ薬には抗ヒスタミン剤のクロルフェニラミン(ポララミン)という緑内障を悪化させる成分が広く含まれています。ここに揚げた例は一例です、多少専門的内容になりますので、ご自身で判断せず医師、薬剤師にご相談されますようお願いします。

Part1

系統 禁忌薬例 禁忌症
鎮痛消炎剤
(NSAID)
ボルタレン、インフリー、オルヂス、オステラック、ロキソニン、フェルデン、インダシン、インテバン、クリノリル、フルカム、ペオン、ミナルフェン、ミリダシン、ポンタールetc 消化性潰瘍、重篤な血液異常、肝・腎障害、アスピリン喘息、重篤な心不全・高血圧
βブロッカー
非選択
インデラル、ミケラン、サンドノーム、ベータプレシン
β1選択
テノーミン、セロケン、メインテート、カルバン、ロプレソール
αβブロッカー(βを主力と考え)
アルマール、ローガン
気管支喘息(β1選択の場合慎重投与)、糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシス、高度の除脈、房室・洞室ブロック、心原性ショック、肺高血圧による右心不全、鬱血性心不全
Ca拮抗剤 アダラート、セパミット、コニール、バイミカード 心原性ショック
ペルジピン、ニバジール 頭蓋内出血で止血不完、脳卒中急性期頭蓋内圧亢進、
ヘルベッサー、ワソラン 2度以上の房室・洞室ブロック、重篤な鬱血性心不全
ACE阻害剤 アデカット、インヒベース、タナトリル、エースコール、コナン、カプトリル、ロンゲス、プレランetc 他のACE-Iで血管浮腫 の既往症のある患者、LDLアフェレーシス実施中患者、AL69血液透析実施中、腹水伴う肝硬変(インヒベース)
ニトロ剤 アイトロール、ニトロール、フランドル、フランドルテープ、ニトロダーム、ミリスロールテープ、ニトロペン 重篤な低血圧、心原性ショック、閉塞隅角緑内障、頭部外傷・脳出血、高度な貧血
サイアザイド フルイトラン、ハイグルトン、ナトリックス、ブリサイド、ベハイドRA 無尿、急性腎不全、低Na・低K血症
ループ利尿剤 ラシックス、オイテンシン、アレリックス 無尿、肝性昏睡、低Na・低K血症、昇圧アミン・ツボクラリン投与中の患者
K保持性利尿剤 アルダクトン、アルマトール 無尿、急性腎不全、高K血症
カリウム剤 アスパラK、スローK 重症腎機能障害、アジソン病、高Ka血症、無尿、消化管通過障害
抗不整脈用剤 アミサリン 重症心不全、重症心筋症、QT延長例、高度除脈、高度ブロック、筋無力症
リスモダン、ピメノール 鬱血性心不全、洞不全、高度ブロック、前立腺肥大、緑内障
メキシチール 重篤な伝導障害、重症心不全
アスペノン QT延長例、重症心不全
強心配糖体 ジゴシン、ジギトキシン、ラニラピット 房室・洞房ブロック、中毒、閉塞性心疾患


 ?薬のカタカナ名
少し前まで病院から出る薬には謎の記号や番号が印刷されているだけでした。最近になって、薬のカタカナ名がシートに印刷されるようになり、どなたでも薬の名前が分かるようになりました。「患者は医者の出す薬を黙って飲んでいればいい」という一昔前までは、薬を出すときに、わざわざシートの耳を取ったり、マジックでアルファベットを消したりすることもありました。今になってみれば何と愚かで、無駄なことをしていたのでしょうか...  

Part2

系統 禁忌薬例 禁忌症
ペンゾジアゼピン セルシン、コンスタン、デパス、セレナール、リーゼ、エリスパン、レキソタン、ワイパックス、ハルシオン、アモバン、メイラックス、ユーロジン、ベンザリンetc 重症筋無力症、急性峡隅角緑内障、その他原則禁忌あり
セレネース 昏睡状態、バルビツール等で強く中枢が抑制されている患者、パーキンソン、アドレナリン投与中
経口糖尿病治療剤
(SU剤)
オイグルコン、ダオニール、グリミクロン、デアメリンS 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡、インスリン依存型糖尿病、重篤な肝・腎障害、急性ポルフィリン、重篤な感染症、術前後、強い下痢・嘔吐
αグルコシターゼ阻害剤 グルコバイ、ベイスン 重症ケトーシス、重篤な感染症、術前後、重篤な外傷
βラクタム系抗生剤
(ペニシリン・セフェム)
ビクシリン、サワシリン、ユナシン、オーグメンチン、ケフラール、ケフレックス、バナン、パンスポリン、トミロン、セフゾン、セフスパン、セパゾン 本剤ショックの既往歴、伝染性単核症、
ニューキノロン タリヒット、バレオン、クラビット、メガロシン、フルマーク、バクシダール 本剤過敏症
イスコチン 重篤な肝障害
抗コリン、抗ムスカリン コランチル、ロートX、セスデン、ブスコパン、コリオパン、チアトン、スパスメックス、セスデン、トランコロン 緑内障、前立腺肥大による排尿困難、麻痺性イレウス、重篤な心疾患
アトロベント、テルシガン、フルブロン(外用吸入) 緑内障、前立腺肥大による排尿困難
アルサルミン、イサロン、コランチル 透析患者(アルミニウム脳症)
サイトテック 閉経前婦人
抗ヒスタミン ポララミン、ゼスラン、タベジール、ペリアクチン、トラベルミン、ホモクロミン 緑内障、前立腺肥大による排尿困難
ペリアクチン 同上、狭窄性胃潰瘍、幽門性胃潰瘍、気管支喘息急性発作時、新生児、未熟児、老齢の衰弱した患者
ダンリッチ 緑内障、前立腺肥大、気管支喘息、重篤な心疾患、重症筋無力症、麻痺性イレウス、重篤な潰瘍性大腸炎
ステロイド プレドニン、リンデロン、レダコ゜ト、メドロール、デカドロン 以下原則禁忌。有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身真菌症、消化性潰瘍、精神病、結核性疾患、単純疱疹性角膜炎、後嚢白内障、緑内障、高血圧、電解質異常、血栓症、最近の内臓手術創、急性心筋梗塞
抗アレルギー剤 トリルダン EM・イトリゾール・フロリード投与中、重篤な肝障害、QT延長症候群
ヒスマナール 同上、心筋梗塞、不整脈、先天性弁障害


?ミシン目がない
  最近もらった薬にミシンめがなくなって不便に感じたことはありませんか。実はこれは、患者さんの誤飲防止対策の一環なのです。ご老人などシート・パッケージからお薬を取り出さずシートのまま飲んでしまい、鋭角部が食道粘膜ささり、時には重い症状に至るケースがありました。そこでミシンめをなくし、簡単には切れないようにすることで誤飲を防止しようと考えたわけです。また、シートの裏には取り出し図も印刷されるようになりました。日本製薬工業協会、各メーカーの患者さんの立場になった措置で歓迎されるべきことでしょう。
?注射剤の副作用は...
注射剤に関して、ここでは扱っていませんが一般に内服に比べ吸収がすみやかで副作用の発現も早く、強くでるものです。特にショックを起こすケースは内服に比べはるかに多く、アレルギー体質の方など事前に医師に申し出ておくことが大切です。   

Part3

系統 禁忌薬例 禁忌症
脳代謝改善 サアミオン、オイナール、ヘキストール、サブロミン、ロコルナール、トレンタール 頭蓋内出血後、止血不完
フルナール 脳梗塞急性期、パーキン、うつ状態
抗パーキン ドプス、ネオドパストン、メネシット MAO酸化酵素阻害剤を投与中の患者、閉塞隅角緑内障
アーテン 緑内障、重症筋無力症
三還系抗うつ剤 トフラニール、アモキサン 緑内障、心筋梗塞初期
四還系抗うつ剤 テシプール MAO酸化酵素阻害剤を投与中の患者、(緑内障、排尿障害は慎重投与)
抗血栓薬
その他
エパデール、アンプラーグ、ドルナー、プロサイリン 出血性素因・疾患
ワーファリン 同上、高度の肝実質障害、腎不全、消化器潰瘍、
パナルジン、プレタール 同上、高度の肝実質障害、白血球減少症、
エルゴタミン製剤 カフェルゴット、クリアミンA、ジヒデルゴット 末梢血管障害、閉塞性血管障害、狭心症、冠動脈硬化症、重篤な高血圧、肝・腎障害、敗血症、緑内障
リゾチーム ノイチーム、レフトーゼ、アクディーム 卵白アレルギー患者
瀕尿治療剤 パトリシン、バップフォー 幽門・十二指腸・腸管閉塞、下部尿路閉塞、緑内障
鉄剤 フェログラ、フェルム、フェロミア、フェロリタード 鉄欠乏状態にない患者
下剤 プルゼニド 急性腹症、痙攣性便秘、重症硬結便、電解質失調(低K)
女性ホルモン エストリール、ドオルトン、プレマリン エストロゲン依存性腫瘍、血栓性静脈炎、肺塞栓症、
ドオルトン、プラノバール 重篤な肝障害、前回妊娠中に黄疸又は持続性掻痒症、妊娠ヘルペス、鎌状赤血球貧血、デュビン・ジョンソン症候群、ロータ症候群、脂質代謝異常、診断未確定な異常性器出血
プロベラ 血栓性疾患、肝疾患、稽留流産
ウテメリン 強度の子宮出血、子癇、前期破水子宮内感染、常位胎盤早期剥離、子宮内胎児死亡、妊娠継続危険例、重篤な高血圧・心疾患、重篤な糖尿病、妊娠16週未満
クロミッド 卵巣腫瘍、肝障害
ポンゾール 肝障害、心・腎疾患


?アルコールと薬
お酒を召し上がる方には残念ですが、原則的には禁止となります。特に、安定剤、降圧剤、鎮痛剤、筋弛緩剤、その他風邪薬など中枢(脳)に働きかける薬は作用が強く現れ危険です(逆に普段から飲酒量が多い場合、薬の効き目が悪くなる場合もあります)。
また、一部の抗生物質の注射に、アルコールの代謝を妨げる作用があり、急性中毒を引き起こすこともあります。いずれにしても医師や薬剤師に相談してみて下さい。問題のない薬も多くありますから...ただし飲みすぎにはくれぐれも気おつけて下さいネ。
  

part4

禁忌薬例 禁忌症
アスパラCa 高Ca血症、腎結石、
アモトリール 胆石
イソパールP 冠動脈疾患
イトリゾール 肝疾患
ウブレチド 消化管・尿路の器質的閉塞、迷走神経緊張症、サクシン投与中
グラケー ワーファリン服用中患者
サラゾピリン 新生児、未熟児
セファドール 重篤な腎障害
セブンイー・P 牛・ブタ蛋白過敏症
ダントリウム 閉塞性肺疾患、心疾患による著しい心肺機能低下、筋無力症、肝疾患
チラージンS 新鮮な心筋梗塞
テグレトール 本剤又は三還系抗うつ剤に過敏症の患者、2度以上の房室ブロック、高度の除脈
ドグマチール 褐色細胞腫
バリターゼ 血液凝固異常、血小板減少、抗凝血剤投与中、
ハルナール 腎機能障害
ヒダントール 重篤な心・肺・肝・腎障害、急性間欠性ポルフィリン症
ヒデルギン 麦角過敏症
ファジン 血液疾患、脳・脊髄に気質的疾患のある患者
プロスタール 肝疾患
プロヘパール 肝性昏睡
プリンペラン 褐色細胞腫
ベゲタミン 昏睡状態、循環虚脱状態、中枢神経抑制剤の強い影響下、フェノチアジン、バルビール酸系に過敏症の既往症、
ベサトールSR 人工透析患者、重篤な腎疾患、血清クレアニチン値2.5mg/dlを超える患者
ポラキス 下部尿路閉塞症状、緑内障、重篤な心疾患、麻痺性イレウス
ホンバン 血栓性静脈炎、肺塞栓症
メジコン MAO阻害剤を服用中の患者
メタルカプターゼ 高齢者 、全身症状の悪化している患者、(他剤無効の難治例のみに適応)
メトリジン 甲状腺機能亢進症
ラキソベロン 急性腹部疾患
リズミック 高血圧症、甲状腺機能亢進症、褐色細胞
ロレルコ 重篤な心室性不整脈
ロペミン 抗生物質による大腸炎


?外用薬の副作用
外用薬では局所のカブレ、カユミといった副作用も出やすいものです。ステロイド剤など必要以上に塗らないことです。気をつけないといけないのは、皮膚や粘膜からも吸収されるものがあり、全身的な副作用がでることもあるということです。かつて硼酸亜鉛化軟膏(ボチ)という汎用的に使われた軟膏がありました。これを乳児のヤケドに広範に塗ったため、皮膚から多量の硼酸が吸収され、中毒を起こしてしまったということもありました。今は製造も中止され硼酸の入らない亜鉛化単軟膏が使われます。又、整形領域で頻繁に使われる消炎鎮痛剤の軟膏やパップ剤でもアレルギーをおこすことがありますし、アレルギー喘息の方など特に注意が必要です。  

part5:外用

系統 剤型 禁忌薬例 禁忌症
ステロイド 外用塗布剤 リンデルン、フルコート、デルモベート、ロコイド、トプシム、リドメックス、アルメタ 感染型皮膚疾患(細菌、真菌、ウイルス、カイセンetc)、鼓膜に穿孔ある湿疹性外耳炎、潰瘍、2度以上の熱傷、凍傷
点眼 フルメトロン、リンデロン 感染症(細菌、真菌、ウイルス、etc)、角膜潰瘍
吸入 アルデシン、ベコタイド 有効な抗菌剤の存在しない感染症、小児制限、(以下原則禁忌。結核、呼吸器感染症)
抗コリン 吸入 アトロベント、テルシガン、フルブロン 緑内障、前立腺肥大
βブロッカー 点眼 チモプトール、ベントス、ミケラン 気管支喘息、気管支痙攣、重篤な慢性閉塞性肺疾患、コントロール不十分な心不全、洞性除脈、房室ブロック、心原性ショック

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<参考>
各メーカー添付文書
今日の治療薬(南江堂)
その他