第89回、ウゴウゴ・イナラガヤ・スペシャル



2005年5月21日23:30から0:30まで


(Dave Clark Fiveのインスト・ナンバー「Theme Without A Name」がかかり、やがてフェイド・アウトされる。)

皆さん、こんばんは、日本二のペダル・スティール・ギター愛好家、ニーチ・ショウタキがお送りする「ウゴウゴ・イナラガヤ」の時間のタイムがやってまいりました。またまた年甲斐もなく新しい興味の対象を見つけてしまいのっぴきならない状態になってしまいましたのでこの放送に戻ってきました。まあ、この放送はそういった僕の個人的な興味に沿った極私的な番組ですからこのような時に気ままに行うものだと思ってください。さて最近の興味の対象とはずばり、ペダル・スティール・ギターです。ハワイアンやカントリーの世界では大活躍の楽器ですが、これまであまり意識して聴いたことがなかったのですが、このところあの不思議な楽器の音色に興味を持ったらこれは大変面白いものだったのでここでこの楽器をフィーチャリングしてみようと思い立ちました。先ずはスティール・ギターといったら僕の場合この人たちのこの曲が浮かんでしまいますのでそれから聴いてみましょう。サント・アンド・ジョニーで「スリープ・ウォーク」です。

Sleep Walk / Santo & Johnny

僕の場合インスト・ナンバーで1曲挙げろと言われたら先ずはこの曲が思い出されますね。「Teardrop」でもいいのですが先ずはスティール・ギターの雰囲気を紹介する意味でこの名曲を1曲目に紹介してみました。ところで何故僕が今さらペダル・スティール・ギター(PSG)にハマってしまったかというと次にかけるグループのライブを間近で観たことがきっかけでした。そのグループとは若手カントリー・グループのスウィンギング・ドアーズというバンドでした。そのライブ音源からジミー・ロジャース・ナンバーを紹介しましょう。

Miss The Mississippi And You / Swinging Doors

この曲は僕がジミー・ロジャースの曲の中で一番好きな曲でもあったのでこれをいきなりライブでやってびっくりした覚えがあります。そのバックで鳴っている楽器がPSGです。プレーヤーは村中靖愛という人で僕はリード・ヴォーカルのたまちゃんこと、玉川裕高さんのもう一つのバンド、バケッティアーズを密かに追い掛けていたのでこのバンドも観に行ったというわけでした。そのたまちゃんと村中さんという二人はかつてコモンヴィルというバンドを組んでいてこんな曲もリリースしていました。コモンヴィルで「描くのは曲線のみ」です。

描くのは曲線のみ / コモンビル

これも後半、スティール・ギターの超絶プレイが楽しめますが、この村中PSGを生で聴いたことがこの不思議な楽器に興味をもったきっかけとなったわけです。さて、PSGといえば日本ではやはり駒沢裕城の存在が挙げられますがその味付けが光るこのナンバーを聴いていただきましょう。

それはぼくじゃないよ / 大滝詠一

駒沢さんのPSGははっぴいえんどや小坂忠のバックでもいい効果で聴くことができますよね。また細野さんのソロ・アルバムでもいい味出していましたので聴いてもらいましょう。うーん、何にしようかな、「恋は桃色」でいってみましょう。

恋は桃色 / 細野晴臣

こうして聴いてみると70年代の日本の重要なアルバムには駒沢さんの存在が欠かせなかったということが分かりますね。まあ他にもはちみつぱいやティン・パン系のセッションによく出ていたことを思うと今ことさら言及することでもないかもしれませんが。その駒沢さんをまさにフィーチャリングしたアルバムが大瀧さんプロデュースの『多羅尾伴内楽団VOL 1』でした。

悲しき打明け/ 多羅尾伴内楽団

そしてもう一つ70年代の日本のミュージック・シーンでPSGが特徴のバンドといったらこの人たちも大変気になるグループでした。

スティール・ギター・ラグ / 久保田麻琴

久保田麻琴と夕焼け楽団の『ハワイ・チャンプルー』の1曲目が駒沢裕城と藤田洋麻とのツイン・スティールで、お馴染みの「スティール・ギター・ラグ」でした。この曲はカントリーの世界ではいろんな人がやっていますが、最近聴いたものではバック・オーエンズのバンド、バッカルーズのものがよかったです。日本人のPSG奏者はそんなに多くはないのですがセンチメンタル・シティ・ロマンスの告井延隆も数少ないPSG奏者ですので紹介してみましょう。

時は流れて / センチメンタル・シティ・ロマンス

この曲は細井さんのヴォーカルが優しく感じられる最近のお気に入りナンバーなのです。他にもオレンジ・カウンティー・ブラザーズにいた谷口邦夫や高田渡の息子、高田漣も貴重なPSG奏者でしたね。で、そろそろあちらの重要なPSG奏者を紹介したいのですが、先ずは4人目のビートルズ、リンゴ・スターのカントリー・アルバムからタイトル曲を聴いてもらいましょう。

Beaucoups Of Blues / Ringo Starr

この『Beaucoups Of Blues』というアルバムは大変好きなアルバムで、他にもいい曲がいろいろあるのですが、このアルバムをプロデュースしているのが本日の主役の一人、ピート・ドレイクという人で、この人のことを紹介したかったのでこんな特集となった訳でした。もちろん、バックで鳴っているPSGはピート・ドレイクのものですが、もう1曲、ビートルズのメンバーに登場してもらって裏で聞こえているピートさんの演奏を聴いてもらいましょう。ジョージ・ハリスンで「Behind That Locked Door」という曲です。

Behind That Locked Door / George Harrison

これは大作、『ALL THINGS MUST PASS』に入っていた曲で、ピート・ドレイクがしっかりとバック・ミュージシャンとしてクレジットされていました。因に大ヒット曲となった「My Sweet Lord」もピート・ドレイクのテイストが入っている曲とされていますが、スペクター・プロデュースの影にPSGの調べがいい隠し味となっていると思いませんか?ということで本人のインスト・ナンバーをかけてみましょう。いろいろ興味深いナンバーがあるのですが、最近気に入っているこの曲を選んでみました。「Star Gazing」、ピート・ドレイクです。

Star Gazing / Pete Drake

ピート・ドレイクは「Forever」がちょっと知られているかもしれませんが、いろいろなところに顔を出しているとともに、PSGの世界では異端者ともいわれている存在なのです。それは「ボイス・チューブ」というものを開発し、声をPSGに入れてしまったからです。その1例をここでかけてみましょう。「Color Of The Blues」というカントリーではお馴染みのナンバーです。

Color Of The Blues / Pete Drake

ここでヴォイス・チューブを使ったPSGが出てきていましたね。他にもいろいろあるようですが、本日はこの曲のみの紹介で次にいってみようと思います。ピート・ドレイクの演奏している曲は本当に沢山あってまだ全貌がつかめていないのですが次のバックにもこの人が関わっていました。ハンク・ウィルソンの『HANK WILSON'S BACK VOL.1』というアルバムから聴いてもらいましょう。

She Thinks I Still Care / Hank Wilson

ハンク・ウィルソンこと、レオン・ラッセルでした。レオン・ラッセルのアルバムの内、一番聴いたことのなかったものでしたが最近引っ張り出してきて聴いております。さてアメリカの場合PSG奏者は五万といるようですが今日はその代表的な人のみをピックアップして紹介してみましょう。先ずはスピーディ・ウエストといってPSG界では大変有名なプレイヤーなのです。

Speedin' West / Speedy West

この人もいろいろ語るに多い人のように感じていますが、もう少し調べてから紹介してみたいと思っています。スピーディ・ウエストとともに有名なのが次に紹介するジミー・デイという人です。ハンク・ウィリアムスのバンドやウィリー・ネルソン、レイ・プライス等のバンドにも参加していたことのある実力派PSG奏者です。

Pushin' Pedals / Jimmy Day

ジミー・デイをPSGの師と仰ぐ人は多いようです。そして最後にPSG界で一番有名な人を紹介したいのですが、先ずは誰でも知っているこの曲から聴いてもらうことにしましょう。

Top Of The World / Carpenters

このカーペンターズの曲でPSGを弾いている人が何を隠そう、バディ・エモンズという人です。僕の現在知っている限りではピート・ドレイク、ジミー・デイそれにバディ・エモンズの3人がPSG界のビッグ・スリーのように思えております。違っていたらごめんなさい。その誰もが認めるスティール・ギターの元祖ともいうべきバディ・エモンズのソロ演奏も聴いてもらいましょう。バディ・エモンズはありとあらゆる歌手のバックに入っている可能性が高いのですが、今日は彼の一番有名なジャズとのコラボレーション・アルバムからハリー・ウォーレンの名曲をじっくり聴いてもらいましょう。この演奏、半端じゃないですよ。

There Will Never Be Another You / Buddie Emmons

うーん、凄いですね。カントリー楽器のPSGが完全にジャズ楽器と化していましたね。PSGはカントリーやハワイアンだけのものではないということを証明したような演奏でした。ということでいろいろ紹介したい曲やプレイヤーがいる世界なのですが、本日は入門編ということで上辺を撫でただけでご勘弁してもらいましょう。専門家からはクレームがきそうな特集となってしまいましたが今後更にフォローしていこうと思っております。お手柔らかにお願いいたします。ということで時間もなくなってきてしまったので最後にこの曲、というか、このグループのナンバーをかけて一夜漬け特集を終りたいと思っています。僕の一番好きなグループ、バーズの『ロデオの恋人』というアルバムから「Hickory Wind」という曲です。

Hickory Wind / Byrds

この曲でもPSGが効果的に使われていましたので最後に選んでみました。因に演奏しているのは当時のセッション・メンバーだったロイド・グリーンという人でした。

ということで本日はつい最近興味をもったアイテムについて急遽特集という形で取り上げてみました。いつになく舌足らずな部分の多い放送となってしまいましたが、今後に期したいと思っていますので大目にみてください。尚、それに関連したご意見やご感想、何でも結構ですから送ってください。お便りだけが頼りの番組ですので、一つよしなにお願いいたします。またこのような新しい興味が高じた時点で次の特集を組みたいと考えていますのでよろしくお願いします。それじゃ、また、バイ、バイ!

(バックにDave Clark Fiveのインスト・ナンバー「Theme Without A Name」がかかりやがてフェイドアウトされる。)


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