コンサートレポート

ルラルのみなさん、グッド・バイブレーションをありがとう!

ルラル・夢みがちクローバー発売記念〜ランチタイム・ライブ


2004年12月5日(日) 吉祥寺スターパインズカフェにて

まだ今年を回顧する時期でもないのですが、2004年という年は私にとって忘れられない年になると思っています。個人的にもいろいろ変化があった年なのですが、ルラルというガール・グループの素晴らしいライブを体験できたことをもう一つのエポック・メイキングな出来事として記録しておきたいと思います。(例によってうわついたレポートとなっておりますのでそういう文章が苦手の人は読まないでください)

まず何故私が二周りも歳の違う女の子のグループにかくも熱をあげてしまったのかといういきさつを簡単に紹介してみましょう。最初に彼女たちのライブをみたのが2000年11月18日に行われた『Hello! Popsicle』というイベントで、最初はそんなに気になるグループではなかったのですが、その際、シャングリラスの「Leader of the pack」やロビン・ワードの「Wonderful summer」などをいとも簡単にカヴァーしてくれたことに驚いて興味を持つようになったのです。その際、たまたま持っていたビデオでその模様を録画してしまったことが今日まで続いて、ことあるごとに映像記録を残すことが習慣となってしまったわけです。まさかこんなに長い間、一つのグループに付き合うことになるとは思ってもみませんでした。今から考えるとこの女の子たちは何かをやってくれるという期待があったのかもしれません。カヴァー曲のセンスやキャッチーなメロディをもったオリジナル曲はどの年代にも受ける要素があるなと直感しました。そういった世代を越えたバイブレーションを予感させるグループだったので、大人げないとは思ったのですが、機会が許せば追っかけていこうと思ったのです。

そんな金沢出身の仲良しグループが東京に進出して頻繁にライブを行うようになり、2001年には初のミニ・アルバム『どうする?ヴェロニカ』を発表し、2003年の『トカイノトナカイ』等これまでにコンピレーションを含め6枚のCDを出すグループへと成長していった過程をつぶさに見てこれた訳です。別に自分は身内でもなく、知り合いでもない、只の一ファンなのですが、次第に自分の中でこのグループの存在が大きなものに思えてきてその行く末が大変気になるようになってしまったのです。時間が自由に使えるようになったことをいいことに、先日は金沢まで彼女たちのライブを観に出かけてしまったほどでした。そのライブもこれまでに体験したことがなかったような心暖まるライブで、金沢という地方のパワーを痛いほど感じて帰ってきた次第でした。まさにルラルというネーミングが示すように地元ならではの熱い歓迎ぶりに東京者としてはちょっぴり引け目を感じてしまったほどでした。しかしながらその翌日に開催されたメンバーの理香ちゃんのソロ・ライブへも押し掛ける入れ込みぶりで、我ながら呆れてしまうほどの「おっかけ」おたくと化してしまったのでした。

その余勢を駆って、出かけていった吉祥寺でのライブはお客さんの入りが心配と聞いていたので、私も知り合いに声をかけて3人で鑑賞することにしました。会場へ着くともう常連のHくんが並んでおり、ちょっと挨拶をしてから会場入りをしました。三々五々、顔見知りの人たちも集まってきて、心配した客の入りもまずまずといった感じでした。スタパは以前、コリン・ブランストーンとロッド・アージェントのライブを観たことがあり、いいライブ会場でしたが、写真・ビデオ撮影禁止ということになっていました。おかげで今回初めてゆっくりと彼女たちのライブ・パフォーマンスを観ることができた訳ですが、最初の2、3曲をやった頃から急に込み上げてくるものを感じ、これはちょっとヤバイな、と思って観ていました。それはいつになく完成された演奏と4人がこれで最後となるような雰囲気を漂わせた充実感に満ちあふれていたからではなかったでしょうか。グループ結成10周年ということで、決してひよっこバンドではない履歴のあるグループなので、自分たちのそれまでの軌跡を思い起こしながらの演奏風景に、いじらしさを感じてしまい、ウルウルきてしまったのです。

特に8曲目あたりの「Please don't ever change」(普段は理香ちゃんが歌うところ愛ちゃんがヴォーカルを担当)や今私が一番好きな曲、「小さな宇宙」(かな子ちゃんが作った曲で理香ちゃんがそれに金沢の思い出を詞にして綴った名作)を演奏してくれた頃と愛ちゃんのヴォーカルが冴えまくる「Tell me love」や「コスモス」を披露してくれた頃から「Tracks of my tears」状態となってしまい、「悲しきラグ・ドール」の後に理香ちゃんがいみじくも語ったMCでついに大洪水状態となってしまいました。それは要約するとこんな内容の語りでした。<最初は「ビッグになってやるぜ!」と言ってグループを始めたんですが、土屋愛が(出産で)抜けて、3人で頑張った時期を経て、また4人で今回のアルバムを作れたことが嬉しかったんです。だから別に武道館で5万人の大観衆は前にしてないんですけど、今日ここに来て下さったみなさんがどこかでルラルを知って観に来ているということに意味があると10年経って気が付いたんです>と述べた時はよくぞ言ってくれました、そういった感想が述べられる理香ちゃんは本当にえらいなと思いました。こういった状況の中で自分たちの思いをきちんと言葉にして伝えられることは立派だなと思いました。なかなか最近の女の子には見られない気骨とファンに対する思いやりがある娘だなと感心してしまうと同時に、彼女たちを観続けた僅か4年あまりの思い出が一気に押し寄せてきて辺りを憚ることなく涙を止めることができませんでした。

最後の曲ですと言って演奏した「夢みがちクローバー」もしっかり歌っていて全体に安心して聴ける質の高い演奏でした。多分これまでのライブの中でもベスト・パフォーマンスといってもいい出来で、このライブにかけていた意気込みを感じさせるステージでした。正味1時間半弱のワンマン・ライブでしたがその時間もあっという間に過ぎ去っていく感じでした。一緒に行った松上さんから「これは解散コンサートですか?」という質問が出たほどの緊迫感があり私も本当にこれで最後なのかもしれないと一瞬思ってしまいました。その後アンコールで登場して「テレパシー」を歌った後に「ねえ、ダーリン」のギター・ソロの際にかな子ちゃんが「みんな立って!」と呼び掛けオール・スタンディングで手拍子を送ると、感極まって愛ちゃんが泣き出して歌うことができなくなってしまい、会場に「頑張れー!」という一体感が生まれ、普段では体験できない雰囲気となってしまいました。確かに解散コンサートのような様相にすっかり飲まれてしまい、しばらくは立ち直れないでいる自分がそこにいました。

こんな感想レポートを書くと、理性ある大人からは馬鹿にされてしまいそうですが、それでもいいんだと思えるような一体感を味わえました。うまく言葉には表せないないのですが、確実に伝わってくるメッセージを受け止めることができました。多分、そういったキャッチボールができるバンドは現在他に見当たらないと思えるほど、このうら若き4人組みに入れ込んだ自分がとても幸せに思えてなりませんでした。これがもしかしたら音楽によってもたらされるカタルシスなのではと密かに思いながらしばし会場に立ちつくしていました。中林理香さん、土屋愛さん、殿田かな子さん、そして大村陽子さん、素敵な音楽を味わせてくれて本当にありがとう。私は十分に満足させてもらいました。今後どういう展開になるか分からないようですが、いつまでもいい音楽を提供し続けてくださいね。まずはお疲れさまでした。



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