マスターの自由自在 Vol.2(2018年1月14日イベント・レポート)


2017年10月に「マスターの自由自在」という個人トーク・イベントを行いましたが、調子に乗って第二回目を2018年1月14日にやらせてもらいました。前回、初回で30何人という集客だったのですが、2回目はそんなことはないと思って始めたのですが、何と2回目も同じ30人越えの集客でびっくりしました。
そこで時間がとれればこのトーク・イベントのログを残しておこうと思いました。参加できなかった方で興味のある方はこちらを覗いてみてください。


この日のメニューはこのようなものでした。

○ハリー・ウォーレン、ドロシー・フィールズ、○アキ・カウリスマキ、休憩(おせんタイム)、この後参加者を任意に呼び込んでトーク・コーナー、○樋口一葉 and 黄金餅、○リンゴ・スター、  ピート・ドレイク ○川島雄三、 番外:アーカイブ・コーナー

まずこの日が三島由紀夫の誕生日ということから紹介し、トップ・バッターはハリー・ウォーレンを紹介しました。ハリー・ウォーレンは1900年中期に活躍したアメリカの大作曲家でこれまでに800曲以上の作品を残していますが、日本ではあまり話題になっていないのでここで紹介しました。まずハリー・ウォーレンがオスカーを3つ受賞した写真を紹介し、その3曲「Lullaby of Broadway」「You'll Never Know」「On the Atchison, Topeka & Santa Fe」をハイライトで流しました。更に日本の作曲家、鈴木道明が作曲した「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー」がハリー・ウォーレンの代表曲「Boulevard Of Broken Dreams」と酷似しているということで訴えられた事件も紹介しました。追記【お詫び】:イベントではこの曲を「Lullaby Of Broadway」と間違えてかけてしまいました。併せて一番多く共作しているのアル・デュービン(作詞)、バスビー・バークレー(振付け)も少し紹介しました。

そしてもう一人、大好きな作詞家、ドロシー・フィールドの紹介もさせてもらいました。「I Can't Give You Anything But Love 」「On The Sunny Side Of The Street 」の作詞を担当したドロシー・フィールドの作品で私が一番好きな「The Way You Look Tonight」を作曲家のジェローム・カーンとともに紹介し、フレッド・アステアが歌う『有頂天時代』の一節をYouTubeで流しました。

次に紹介したのがフィンランドの映画監督、アキ・カウリスマキで彼の「絶望三部作」、『浮き雲』『過去のない男』それに『街のあかり』等の気に入った点を力説しました。毎回「犬」が登場し、影の主役はこのワンちゃんだと思っているのです。特に私が個人的に好きなシーンは『浮き雲』で市電の運転手をクビになった夫が運転する市電に誰も乗っていない妻(彼女も勤めていたレストランが売り渡され失業の憂き目に遭う)が乗り合わせるところで、ここにはカウリスマキ独特の表現で理想の夫婦愛のメッセージがあるように思えました。それと『過去のない男』の1シーンにクレージーケン・バンドの「ハワイの夜」が日本語でかかるシーンも流しました。こここまでが前半で「おせんタイム」休憩になりました。

後半のスタートではアゲインでライブ/イベントをやったことのある参加者や私の友人、知り合いを呼び入れ、ショート・トーク・コーナーとしました。フリーDJナイトに参加している人や耳なしフランケンの北原さん、翌日に布谷さんの日を企画している桜井さん、きっかけ屋の備忘録の磯田さん、ラ・ターボの加藤さん、2月に朗読/ジャズ・ライブをやる藤島さん、窪野くん等をランダムに紹介しました。特に前回も来てくれた関口直人さんにシリア・ポールに絡んだ話しをしてもらったり、その関口さんとたまたま同じ高校の卒業生だった平川くんを呼び入れ、ホッコリしたトークができました。もしかしたらこのコーナーが一番盛り上がったように思えました。更に隣町珈琲のスタッフで元私の同僚(部下)だった木村くんも呼び入れ私の暴露話しをしてもらいました。そしてこの人もどうしても紹介したかった立原さんも呼び入れて思い出話しができました。この人はネットで知り合った知人の中で一番若い世代の人でしたが感性がよく似ていて頻繁に交流している人でした。

ということでこのコーナーが当初思っていたより長い時間を費やすことになってしまい、自分でテーマに掲げた3時間で終了させるという目論みが早くも崩れかけてしまいました。でもそれは「呼び入れ紹介コーナー」を設けたことは正解だったと思える反応があったので結果的にはよかったと思っています。

そしてここから後半の第二部に入ったのですが、最初は呼び込みコーナーで出ていただいた藤島さんへのメッセージとして樋口一葉の「たけくらべ」朗読から始めさせていただきました。簡単に樋口一葉、「たけくらべ」の紹介をしてどうしてそんな暗読をみんなの前で披露しようと思ったかのいきさつを説明しました。4年前の軽い脳梗塞を患い言葉が紡げなくなった症状がトラウマになっているので人前でスラスラ暗読できるかを試してみたかったのです。いざ、朗読となるとちょっとたじろいだのですが、勇気を持って長い一節をなんとか詰まらずに語りました。どう思われたかは分かりませんが私の中では抱えていた長年のハードルを一つ越えた気になって満足でした。そこで「暗読」のもう一つの例として落語の演目「黄金餅」の言い立ての箇所を古今亭志ん生、古今亭志ん朝、そして立川談志の3バージョンを流し自分がその昔行っていた「黄金餅ツアー」と言ってそのコースを辿る遊びも紹介しました。

しかし、この時点でまだ二部のハイライト「リンゴ・スター紹介」と「川島雄三コーナー」がまるまる紹介できておらず、残り時間との戦いとなってしまいました。そこでリンゴ・スターのことを紹介したい理由として4人のビートルズの中で一番隅に押しやられていて話題にする人が少ないので取り上げてみました、という動機を説明しました。『センチメンタル・ジャーニー』というスタンダード・アルバムと『ボークー・オブ・ブルース』というカントリー・アルバムに的を絞って紹介しました。でも先きを急ぐあまりリンゴのスタンダード・アルバムでカヴァーした曲の解説やアレンジのことには言及できないまま、カントリー・アルバムをプロデユースしたピート・ドレイクとペダル・スティール・ギターのことを急いで紹介するに留まりました。『ボークー・オブ・ブルース』のジャケットの裏面に写っている集合写真に凄いメンバーがいることをちょっと触れ、ピート・ドレイクのトーキング・チューブを使った演奏をYouTubeで紹介しました。トーキング・チューブの使用はピーター・フランプトン等のロック・ミュージシャンが元祖ではなく、このピート・ドレイクが元祖だということを力説しました。本当はもう少し時間があったらアメリカの特にカントリー界のペダル・スティール奏者(バディ・エモンズやロイド・グリーン等)のことも紹介したかったのですが、ケツカッチンだったので省略しました。

そして二部の目玉だった「川島雄三」コーナーになだれ込みました。まずは多作だったリストを掲げその中から『銀座二十四帖』のワン・シーン(花屋の仕入れ先)が私の生まれ故郷の武蔵新田ということを映画で流れたシーンと3日前に武蔵新田へ行った際、撮ったスナップ写真を並べて説明させてもらいました。更に代表作と言われている『幕末太陽傳』を小沢昭一と今村昌平が語る有名なシーンの逸話を映像で紹介させていただきました。そのシーンとは南田洋子(女郎こはる)と左幸子(女郎おそめ)の乱闘シーンのくだりが面白かったのでコメントとともに紹介させてもらいました。
これで当初のメニュー紹介が既に制限時間を越えてしまい、3時間で収めることができませんでした。そして最後に「アーカイプ・コーナー」で数本用意してお客さんに選んでもらおうと思ったのですが、時間がなかったので独断で2015年8月16日に行われた「村田和人100回記念ライブ」の最初だけ紹介させてもらいました。村田さんの50人ライブを観たことのない方もおられたのでその混雑ぶりと熱狂の具合を観てもらいました。

ということで後半駆け足になってしまった第二回の「マスターの自由自在」を終えることができました。いろいろ反省点があったのですが、沢山のお客さんに恵まれたことで半端でない疲れも報われた思いでした。また例によってアンケートを書いてもらったのですが、特に若い参加者が関心を示してくれ、またやってください、とエールを送ってくれたのが嬉しかったです。またいつかこの日の反省点をふまえて伝えたいアイテムを発表してみようかなと思っておりますので、その際はよろしくお願いいたします。参加してくれた方々、ありがとうございました。



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