2003年12月13日(土)

『第5回青空音楽会〜瀬川昌久さん、一方井利昌さんを迎えて』



第5回目を迎えた自主企画イベント、青空音楽会ですが、5回目に至って信じられないようなゲストをお呼びすることができました。本来、蓄音機を郊外で仲間を集めて聴きたいと思って始めたプライベイトな集まりでしたが、次第にエスカレートしていき、参加人数も増え、場所も森さんのご好意に甘えて武蔵小山のペットサウンズ4階で行うこととなり、私の恣意的な意思だけではなく、一人歩きの様相を呈してきました。そんな中、日頃よりこんな方をお呼びできたらいいなと思っていた、ジャズ評論家の瀬川昌久さんを図らずもお招きすることができ、一気にメモリアルなイベントとなりました。また同時に偶々お話しする機会のあったシンガー=ソングライターの一方井利昌さんも参加していただくことになり、おまけにアコースティック・ライブまでやってくれることになり、こちらも思わぬ展開に言い出しっぺであるこの私が一番驚いてしまったわけです。それではその様子を翌日以降の「今日の話題」ログから振りかえって眺めてみることにしましょう。

Sun, 14 December 2003
昨日の青空音楽会は大盛況の内、成功裡に終了しました。あんなに大規模な人数を仕切ったことも初めてでしたし、著名なゲストをお呼びしたことも初めてでしたし、ライブを企画したのも初めてでした。すべて成り行きとなってしまいましたが、周りで手伝ってくれた方々やゲストの方達の協力で思った以上に順調に進行しました。勿論、いろいろ反省点は多く、後になってああすればよかった、とかいつものような自戒の念が湧いてきていますが、今は極度の疲れでそんな思いもかすれ気味です。でもこの疲労感は報われるもので、瀬川さんをはじめ、参加者の方々に喜んでもらえたようでほっとしています。それにつけ、毎回思うことですが私の回りには音楽好きの素晴らしい連中が集まってきているという思いでいっぱいです。忙しい中、駆けつけてくれた瀬川さん、一方井さんに深謝するとともに、毎回会場を提供してくれ、家族みんなで準備を手伝ってくれた森さん一家に大感謝とお礼を言いたい気分です。また、今回、一方井さんのアレンジ役や雑事を持ち前のスマイルでこなしてくれた三須さんにも改めてお礼を申し上げたいと思います。みなさん、本当にお疲れさまでした、またやりましょう!


Mon, 15 December 2003
第5回青空音楽会のレポートです。日記風に主に参加できなかった方のためのレポートとなりますので、参加された方々は分かっている、くどいとお思いでしょうがご勘弁ください。・・・まず前日、床に就いたのが3時半頃でろくに睡眠をとっていなかったのでフラフラしたまま、家を出てしまう。途中で、パソコンのコードを忘れたのに気付いてあわてて引き返しペットサウンズまで車を走らせる。前のおばさんの車が何と遅く感じたことか。急いで用具等を下ろし、会場を覗くと森さんと奥さんできれいに飾り付けができていて感動する。私はすぐに瀬川さんを迎えにいかなくてはならないので準備もそこそこに後は森さんにおまかせして瀬川さん宅へ向かう。車は順調に瀬川邸の前まで着いたのだが、ここからが長くかかってしまう。瀬川さんがなかなか出てこないのだ。困ってしまって携帯で電話すると裸足のまま現われて玄関をあけてくれる。食事がまだ、ということで一緒に食卓で打ち合わせをする。荷物だけ先に運びましょうか、と提案すると地下の書斎の「このあたり」から持っていってください、とのこと。つまり瀬川さんの音源を私がまとめて車に積むことになってしまった。それでも約束の1時過ぎには武蔵小山まで戻ることができ、車の中ではいろいろ貴重なお話しが聞けて超ラッキー、と思いながらご案内。車をパーキングに入れ、会場に戻ると半分くらいのメンバーがもう揃っていた。定刻が過ぎ、大方メンバーが揃ったところで開会の宣言とともに瀬川さんが拍手に誘われご登場。「皆さん、こんにちは、瀬川です」という言葉を聞いた時、やっとこの日がビッグ・イベントだという実感が湧いてきてちょっと感動してしまう。プログラムに沿って先ずは瀬川さんがお好きなポピュラー・ミュージックということでアイボリー・ジョー・ハンターやシスター・スレッジ等のソウル系のレコードを紹介する。なかなか音源が見つからずあせってしまう。でもどうにか台本通りに進行して第2のテーマ、戦前ジャズ・ソングの話題に移ることができる。・・・(後は明日)


Tue, 16 December 2003
<第5回青空音楽会のレポート続き>・・・この日の核心の戦前ジャズ・ソングの話題に。まず日本にジャズ・ソングが入った頃のエピソードをお伺いした後、「青空」の聴き比べを少しやり、大滝さんの「私の天竺」も瀬川さんに聴いていただく。更に2世歌手の話しから川畑文子やベティ稲田の話しをしてもらい瀬川さんが持ち込んだ「ダイナ」音源をいろいろ紹介する。その際、ディック・ミネを紹介するところで『鴛鴦歌合戦』のビデオを流し、「青い空、僕の空」というオリジナル曲をSPで紹介させてもらう。瀬川さんの話しによると男性2世歌手は日本に残った人が多かったが、女性2世歌手はみんな早くにアメリカに帰ってしまったとのこと。更にコミック・ソングということでバートン・クレーンの話題に持っていき、「家へ帰りたい」とアンドリュース・シスターズの「Show Me The Way To Go Home」を聴き比べをする。この辺りで既に予定の時間を大幅に過ぎており、ちょっと先を急ぐように服部良一の話題へ進む。『舗道のささやき』のビデオを紹介したり藤浦洸のことを質問したり、服部良一の自伝を紹介したりして、その他の編曲者(仁木他喜雄、谷口又士、井田一郎等)の話題に軽く触れる。そして最後は瀬川さんが仁木他喜雄のアレンジが素晴らしいと言っていた「崑崙超えて」という古賀政男ナンバーのテープを紹介して第1部を駆け足で括ったのでした。・・・(以下続く)


Wed, 17 December 2003
さて、日記風に土曜日のイベントを紹介してみてハタと思ったことですが、もっと瀬川さんが話す機会を作ればよかったのではという自戒の念が沸沸と涌いてきて一気に落ち込んでしまいました。自分の興味だけでガンガン進行させ、肝心の瀬川さんの貴重な話しの腰を折ってしまったのではないかと反省しています。またアンケートの回答にもあったように、瀬川さんのコーナーは音源なしでトーク中心にすればよかったかな、という思いもあって急に暗い気持ちになってしまいました。みんな優しい方ばかりなので、気に入ってくれたとか、満足しているという感想を鵜呑みにしていましたが、本当は「おまえじゃなくて瀬川さんに話しをさせろよ」と思った方も多かったのではないでしょうか。打たれ弱い体質なので、みんな気を使ってくれたと思うと余計に傷ついてしまいました。すいません、瀬川さん、すいません、みなさん。次回、もし続編が組めるようでしたら、その辺りを考慮して聞き役に徹しようと思っておりますので、どうぞお許しください。今日はちょっと気持ちがブルーになってしまい、なかなか立ち直れそうにもありません。


Thu, 18 December 2003
昨日の内容に励ましのメールをくれた方々へ。すっかり立ち直りましたのでご安心を。打たれ弱くもあり、おだてられやすい性質でもありますので。お決まりの動揺を乗り越えて、土曜日のイベント・レポートの続きをさせていただきます。瀬川さんの部が終った後、休憩をとり、その際、私の趣味で知り合いのお店のケーキをみなさんに振舞いました。阿佐ヶ谷のジュヴァンセルという店の「竹取物語」というケーキで、これがなかなかおいしかったので店の宣伝を兼ねて食してもらいました。いかがだったでしょうか?で、その後、この日の目玉第2弾、一方井利昌さんのライブ・ショーとなりました。最初、一方井さんへのインタビューということでトークをさせていただき、その後はお任せでアコースティック・ライブをやってもらいました。曲目ははっぴいえんどのナンバーから「12月の雨の日」や大滝さんの曲「空色のクレヨン」「さらばシベリア鉄道」、ライダーズの「青空のマリー」、クラプトン・ヴァージョンの「スマイル」などカヴァー中心のセレクションとなりました。最初は少し緊張気味だった一方井さんでしたが、やがてくだけた雰囲気になって何と私がリクエストしていた「私の青空」も演奏してくれました。みんなも自然に手拍子を入れ、寛いだ雰囲気の中、最後に瀬川さんの意向を汲んだ、多少反戦メッセージの入った「何のために」(フォークルのカヴァー)をやってくれ、即興ながら選曲が一方井さんの性格を表わしていたように思えました。私が考えた「目をつぶるとそこに大滝さんが」というキャッチ・フレーズは失礼だったかもしれませんが、私も何度か目を閉じて聞き入っていました。欲を言わせていただければもう少しオリジナルを聴いてみたかったとも思いました。「ねぼけまなこ」が好きな石川より。<セット・リスト:1)君に誘われて 2)12月の雨の日 3)白い雲を追いかけて 4)空色のクレヨン 5)Baby It's You 6)Smile 7)青空のマリー 8)私の青空 9)San Francisco Bay Blues 10)さらばシベリア鉄道 11)何のために 12)Stand By Me>


Fri, 19 December 2003
一方井さんのライブの後、一旦休憩を挟んで参加者持ちこみ音源の紹介をいつものようにやってみました。森さんに先陣を切っていただき、映画『グレート・レース』から「Sweet Heart Tree」や「Moon River」といった映画音楽を紹介していただきました。以下、ご登場いただいた方々と紹介アーティスト(間違っていたらゴメンナサイ!)のみ列挙しておきます。田澤さん(スティーブ・ウィンウッド)、高瀬さん(MFQ)、高橋さん(ダイアナ・クラーク)、石原さん(ポール・サイモン)、大島さん(上野茂都)、出田さん(ジョニー・レイ)、松山さん(マルクス・ブラザーズ)、三木さん(森山良子&森山久)と駆け足で紹介させていただきました。この会は本来、参加者全員が一度は登場するような交流会にしたいというのが私の希望で、全員を紹介したかったのですが、今回は初参加、初見の方もお見受けし、時間も限られていたので上記の方々のみの紹介となりました。びっくりしたのはそれらの方々の紹介する音源に瀬川さんがいろいろ質問したり、感心したり、一緒に楽しんでおられた様子が感動的でした。本当に瀬川さんには学ぶべきことが多いなとこのコーナーでも感じながら司会役をこなしていました。結局瀬川さんは最後まで我々の音源紹介に付き合ってくれ、6時過ぎまで会場にいてくれたのでした。


この記念すべきイベント・レポートの最後に一人の方へお礼のメッセージを送りたいと思います。それははるばる北海道の地からCDを送ってくれ、ネット上での参加となった立原さんへの感謝の気持ちで、彼の熱い思いは参加者のみなさんには伝わったと思っています。彼の送ってくれた記念CDは岸井明特集で、私はこの一週間よく聴いていました。面白かったのは彼があえてはずした「ダイナ」が奇しくも私の記念CDに収録できたことでした。これは後で分かったことで、思わぬシンクロに二人で驚いてしまいした。岸井明は今でいうとホンジャマカの石塚くんのような役者でしたが、ジャズ音楽が趣味で自分で作詞もするほどの才人でした。今度は立原さんも参加してのイベントにしたいと思っておりますのでよろしくお願いいたします。


第5回青空音楽会参加記念CD

1. 青空 / 二村定一
2. 私の青空 / 高田渡
3. アラビアの唄 / 二村定一
4. アラビアの唄 / 遊佐未森
5. ダイナ / 岸井明
6. エノケンのダイナ / 榎本健一
7. (Live) ラモナ / 柳沢慎一
8. ラモナ / 川畑文子
9. サイド・バイ・サイド / 川畑文子&バートン・クレーン
10. 家へ帰りたい / バートン・クレーン
11. Show Me The Way To Go Home / Andrews Sisters
12. 君微笑めは / リキー宮川
13. 君微笑めば / ディック・ミネ
14. スウィングしなけりゃ意味ないよ / ディック・ミネ
15. 泪で唄えば / 宮川はるみ
16. 雨の降る日も / 吉田智恵子
17. 月影のレビュー / ゲイリー芦屋
18. かりそめの恋 / 小林千代子
19. Make Believe / Barbara Cook, John Raitt
20. レイジー・ボーンズ / ミッヂ・ウィリアムス
21. レイジー・ボーンズ / 吉田日出子
22. 蘇州の夜 / 李香蘭
23. ラッパと娘 / 笠置シヅ子
24. 胸の振子 / 霧島昇
25. 胸の振子 / 雪村いづみ


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