最近考えていること

公開日:2007年12月9日

■ 韓流ブームが残したもの−韓国語学習者

韓流ブームを振り返ってみるその2です。
やはり、韓国語学習者の増加ですね。私が韓国語に興味を持ち始めた約35年前の小学校6年生当時、テレビやラジオでの韓国語講座なんてものはありませんでした。
高校に進んだ頃くらいから、ようやく本屋に韓国語学習書がぽちぽちと現れたかなぁという感じでした。
その後、NHKでハングル講座という名でようやく韓国語講座が始まり、88年のソウルオリンピックを前後にして、第一期韓流ブームと呼べるものがあり、韓国語学習者の層が拡大しました。

二昔も前のことですが、日本人で、それまでの韓国語(朝鮮語)学習者といえば、公安関係の警察官か、諜報業務に従事する自衛隊員か、商社などで必要に迫られてといった人たちがほとんどで、趣味や好きで韓国語(朝鮮語)を学習するのは、変わり者に分類されていたかと思います。

それが昨今の韓流ブームで、学習者の底辺が思いっきり拡大した感があります。
(インターネットで韓国語学習に関する検索してみると、ものすごい数がヒットします。)

TBSテレビで2006年1月から放送された竹之内豊、チェ・ジウ主演の「輪舞曲」というドラマをご記憶の方も多いかと思います。このドラマの中に、チェ・ジウとイ・ジョンヒョンが演じる姉妹が経営する韓国料理店の隣の八百屋さんの奥さんが、韓流ブームで韓国語を勉強して、それなりに韓国語が話せるという設定で登場します。 2006年1月の時点では、「あぁ、なるほどね」と違和感がない設定なんですが、これが、2000年だったとしたら、無理がある設定だったんだろうなと思いました。
こういった設定が成立するほどに、韓国語学習者の底辺は拡がったんだろうなと思うと、隔世の感があります。

ブームというものはそれが過ぎ去ると、あっという間に忘れ去られてしまうことが多いのですが、この韓国語学習者の増加とその底辺層拡大は、日本と韓国を「普通の国同士の関係」に近づけたという点では大きく貢献したと考えています。
隣の国の言葉を勉強すること自体が「珍しい」という、おかしな状態からは脱却できたのかなと思うと、ここまでに至るのが長かったなぁと、しみじみしています。

おまけ

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