最近考えていること

公開日:2000年7月8日

■ 韓国外換銀行本店で見たおばあちゃん

ソウルの明洞に韓国外換銀行本店があります。
名前からわかるように、もともと、外為専門銀行として設立された銀行です。
(もちろん、今は、普通銀行です。)
私は、この外換銀行忠武路支店に口座を持っていて、なんとなく親しみを持っており、また、前々から、円をウオンに換金するのを本店でやってみたいと考えていました。
そんなこともあり、韓国外換銀行本店に行ったときのことです。

私が本店に行ったときは、外貨換金の受け付けは地下にありました。
地下と言っても、建物の高さでいえば、2階〜3階くらいあり、おおきな吹き抜けになっていて、さすがは大きな銀行の本店だなぁと変に感心していました。

日本の銀行と同じように、制服を着た警備員や案内係のおじさんがいます。
これまた、日本の銀行と同じように窓口のところにある機械から番号札を取り、ソファーに座って順番を待つことにしました。
待っている間、あっちこっちをきょろきょろしていると、チマチョゴリを着た80歳はゆうに超えたおばあちゃんがエスカレータに乗って下りてくるのが目に入りました。

100メートル先から見ても「あ!韓国のおばあちゃんだ!!」と判別がつくくらいな、典型的な韓国のおばあちゃんでした。
で、そのおばあちゃん、エスカレータを降りると、そばにいた警備員になにやら尋ねかけています。
何度かやり取りをしてようやく事情が判った警備員が、おばあちゃんを窓口のほうに案内して来ました。
警備員が持ち場に戻っていくと、そのおばあちゃん、いきなり、窓口のおねえさんに用件を言い始めました。
窓口のおねえさんが、番号札を取って順番待ちをするように説明するのですが、埒があかず、案内係のおじさんが来て説明し始めました。

すると、そのおばあちゃん、手提げ袋の中から外国紙幣を取り出して、ウオンに換金出来るかどうか質問し始めました。
案内係のおじさんでは判らないようで、調べるのために一枚貸してもらい、窓口のおねえさんに渡しました。
で、案内係のおじさん、番号札を取り、おばあさんを連れてソファーのほうに連れて座らせました。
そうこうしているうちに、私の順番になりました。
換金が終わると、おばあさんのことが気になり、そのおばあさんのそばのソファーに座りました。

案内係のおじさんが「今、調べていますので、少々お待ちください。」とおばあさん専属の係状態になって相手をしています。
なんだかわけの分からないことをしゃべっているおばあちゃんを相手にして、案内係のおじさん、気の毒だなと、二人のやり取りを見ていたら、なんとそのおばあちゃん、突然、日本語で「あんた、日本語判るかい?」と言い出すのです。
おいおい、日本語なんて分かるわけないだろうと、言葉が出かかりました。
案内係のおじさんが韓国語で「いえ、わかりません」と返すと、おばあさんは、またも日本語で「ああ、そうかい」とやり返します。

外貨換金の窓口をひっかきまわして、ようやくおばあちゃんの順番です。
換金は出来たのですが、結局、1万ウオンに満たない金額だったようですが、おばあちゃん、そのお金を手にして帰っていきました。

私は、「あのおばあちゃん、いったい何者なんだと?」とずーっと観察してしまいました。

おまけ

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