最近考えていること

公開日:2000年5月7日

■ 山村

私の好きな街の一つが、骨董品街として有名な仁寺洞です。
特別な理由がない限り、時間が許せば、ソウルを訪れるたびに仁寺洞をぶらぶら散歩することにしています。

今までに何度も仁寺洞に来ていたのですが、ここに有名な精進料理のお店があることを全然知らずにいました。 お店の名前は、「山村」といいます。

山村の地図

場所は、仁寺洞通りのほぼ中間あたりの奥に入ったところにあります。
お店は、伝統的韓国家屋を改造した建物を使用していて、「ソウルにもこんなところがあったんだー」とこの建物で食事を出来るだけでも元を取った気分になれます。
(この地図をみると、あっさりとしていますが、結構、細い路地を奥のほうまでいかないといけません。)

お店の中 建物の中は少々暗めで、これがまた、なんとも言えない味をかもし出していました。
今のソウルでは韓国伝統家屋自体の数が少なくなっていますし、その上、一般の観光客が韓国伝統家屋のご家庭を訪問するという機会を持つことが難しいので、昔の雰囲気を多少なりとも体感出来ることの出来るのがうれしいところです。

山村菜食

さて、この山村は、お寺で僧侶の修行をした現経営者が始めたお店です。

日本の精進料理を食べさせてくれるところにも行ったことがなかったので、お店に行く前には、「韓国の精進料理とは、いったいどんなものが出てくるのだろうか?」と楽しみにしていました。

メニューは、コース料理のみで、今回のメニューは次のようなものでした。
(料金は、W29,000- でした。)

  • 荏胡麻粥
  • 豆腐
  • ピン
    −きのこ類や野菜、唐辛子などを蕎麦粉のころもをまぶして、油で焼いたもの−
  • 山菜のナムル(おひたし)盛り合わせ
  • キムチ
  • 季節の野菜の和えもの
    −味噌、唐辛子味噌、お酒で和えたもの−
  • 天ぷら
    −椎茸、荏胡麻の葉など、季節に合わせたもの−
  • チョン(小麦粉をまぶして油で焼いたもの)
    −かぼちゃ、蓮根、とうもろこしなど、季節に合わせたもの−
  • 山村特製はるさめ炒め
  • 小芋の煮付け
  • 季節野菜のおひたし
    −材料が入手出来ない時には、お出ししません−
  • 蔓人参の和えもの
  • 混ぜご飯
    −豆、小豆などを入れて炊いたもの−
  • チゲ(鍋物)
    −きのこ、大根、唐辛子などをいれた野菜鍋−
  • 伝統茶
    −五種類の漢方薬を入れた、お寺で飲まれている伝統茶−
  • 油蜜菓
    −米の粉を油で揚げた、韓国伝統のお菓子−

これ以外に別料金の酒類として

料理の写真

  • 農酒
  • ビール
  • 法酒
  • 日本酒
  • 果物酒

があります。

精進料理だけあって、肉類は一切ありません。
肉類より野菜が好きな私にとっては、願ってもないところです。
味付けのほうですが、全体に薄口で素材の味で勝負していました。
なかなか、いける味でした。
量のほうも結構あり、お腹が一杯になりました。


この山村、人気店らしく予約をしないと席を確保しづらいようなのですが、私が友達と二人で行った日には、たまたま、二人席が空いていて食事をすることが出来ました。
で、なぜ、そんなに人気があるのかといいますと、韓国の精進料理を食べることが出来るということと、韓国伝統家屋の雰囲気が楽しめるということに加えて、午後8時半から、韓国伝統舞踊のショウが上演されるのです。
食事と雰囲気に加えて踊りを楽しめて、このお値段ということで、観光コースに組み込まれているようで、お客さんの構成は、西欧人4:日本人4:韓国人2、といったところでした。
韓国人以外のお客さんは、すべて観光客で、それがこの繁盛につながっているんだなぁと思います。

今まで何度も通っていた仁寺洞にこんなところがあったのかと、いい経験が出来ました。
野菜料理がお好きな方には、おすすめです。

おまけ

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