最近考えていること
■ 拝啓 ,藤井,樹樣さたはですか
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資料提供:韓国 安東在住、小西明子氏 |
ご存知の方も多いと思いますが、岩井俊二監督、中山美穂主演の映画です。
この映画、日本ではそれほどでもなかったのですが、韓国では、どえらいヒットしたそうで、いろいろなグッズが作られて販売されています。
そんなグッズの一つが、この便箋です。
罫線が入っている裏面(表面?)に、このように主演の中山美穂と酒井美紀の写真が大きく配置されているものです。
ところで、この便箋をよく見ますと、上部には「拝啓 ,藤井,樹樣さたはですか」という意味不明な謎の一行があります。
また、下部には、この映画の出演者が記載されています。
- 脚本・監督:岩井後二
- 出演:中山美穂
- 豊川説司
- 酒井美紀
- 柏原 宗
- 范,文雀
- 候原勝之
- 加賀まぢ
ご覧のように、ことごとく間違って表記されています。
漢字だけならまだしも、ローマ字表記も「MIHO NAKAYAAMA」とご丁寧に間違っています。
豊川悦司が、豊川説司になったり、篠原勝之が、候原勝之になったりは、ご愛嬌としても、加賀まりこが、加賀まぢというのは、ちょっとなんでも、ひどすぎます。
さて、この手のいいかげんな日本語というのは、韓国の伝統(?)であり、一昔前は、韓国で印刷される日本人向けの日本語のパンフレットや地図、案内文、ホテル内のチラシ類に見られたものでした。
しかし、90年代に入り、韓国内に流入する日本文化の多様化とそれに伴う新しいタイプの日本語学習者の登場によって、この手のいいかげんさはかなり影をひそめるようになっています。
にもかかわらず、このありさまです。
難しい日本語の文章を間違えているのではなく、単純なミスの連続です。
しかも、題材となっている「Love Letter」という映画は、韓国で大ヒットして韓国内においても、この映画に関する資料を入手しやすくなっています。
(キャスト一覧が入手困難というわけではないのです。)
想像するに、「Love Letter」という映画が流行っているのに目をつけた日本語の出来ない人間が、適当に写真や資料を集めて、知り合いの印刷所に頼んだのだが、そこの印刷所のおやじが、いいかげんなおやじで、間違いだらけのものを作りあげてしまったのだが、依頼したほうも日本語が出来ないので「ま、こんなもんでいいか」とOKしてしまったのではないでしょうか。
それにしても、人名漢字は、調べて比較すればすむものなのに、それをやらないで(あるいは、ちゃんとチェックをしたのかも知れませんが)いいかげんなものを出してしまうのは、あっぱれとしかいいようがありません。
細かいことは気にしないというのは、ある面では美徳なのですが、今回のは、ちょっといただけません。
と、いっても、直らないんだよなぁ〜。
21世紀になっても...
最後に「拝啓 ,藤井,樹樣さたはですか」って、この「Love Letter」を見た人でなければ、なんのことやら判らないですよね?