最近考えていること

公開日:1998年10月29日

■ パクアンギョン(パクメガネ)

パクアンギョン

韓国人の友人の結婚式出席のため、10月16日〜18日の日程でソウルに行って来ました。
そのソウル滞在中、日本人の友人に教えてもらったメガネ屋さんに行って来ました。

御存知の方もいらっしゃるとは思いますが、ソウルでメガネを作ると、日本では考えられないような安い値段でメガネを作る事が出来ます。
私も、ホテルに到着し、用事を済ませるやいなや、地下鉄1号線に乗り、ソウル駅の次にある南営駅で下車して、パクメガネに向かいました。

南営駅の改札を右に出て、T字路になっている横断歩道を渡ったところにあります。
(中小企業銀行のすぐ隣です。)

信号待ちで横断歩道の向こうに、ぱっと見には、外見があまりきれいではない、しょぼくれたおもむきの店構えです。
一瞬、躊躇しましたが、せっかくここまで来たのだからと、お店の中に入りました。

あまり広いとは言えない店内には、ショウケースにメガネのフレームが所狭しとならべられており、店の入り口のところと、店の奥においてある椅子には、たくさんの順番待ちの人々がいます。
高校生やら若い軍人やらアベックやら主婦など、若い人達が多かったのですが、年齢層は、上から下まで、まんべんなくいました。

このパクアンギョンは、夫婦二人で店を切り盛りしており、おじさんは、店の奥でひたすらレンズを削っており、おばさんは、客の相手をし、検眼をし、お金のやり取りをし、と休む暇もありません。
私が店の中に入り、おばさんと話をしている間にも、次から次へとお客さんがやって来ます。
客がとぎれることがありません。

元々身に付けていたメガネと同じように、プラスチックの圧縮レンズで、メガネの枠とツルの付け根のところにスプリングが入っているものはありますか?と聞いてみると、「ええ、ありますよ」とショーケースの中から取り出してくれます。

値段はいくらになるのか尋ねると、セロテープで補修したよれよれになっているクリアーケースに入っている価格表を目の前に持って来てくれました。

メガネの写真 肝心の値段ですが、フレームが、W9,000-で、プラスチックの圧縮レンズが、W9,000-で、合計W18,000-です。
その日のレートでは、日本円で約千八百円です。

あまりにも安いので、もう一つをじっくりと選んで、結局、二つ作ることにしました。二つお願いしますと、おばさんに言うと「二つも作るの?」とちょっとびっくりした様子でした。

検眼をするのかどうか聞かれたので、今、自分がかけているメガネと同じレンズにして欲しい旨を伝え、同じレンズがありますか?と聞くと「ええ、ありますよ」と私のメガネをレンズの度を計る機械でチェックしてくれました。

メガネは、頼んでから小一時間で出来るのですが、次の予定があったので、翌日、取りに来ることにして、その日は終わりました。
日本のメガネ屋さんだと、ちゃんと印刷した引取書や預り書などに必要事項を記入するところですが、このパクメガネでは、裏が白い不必要な紙を8等分に切った切れ端に名前を書くだけというリサイクル(?)システムになっていました。
私は、そこに自分の名前を韓国語読みしたハングルで書きました。

翌日の土曜日にメガネを取りに行くと、前日同様にお客さんがたくさんいます。
しばらく待っていると、おばさんではなくおじさんが「An Dung Tae ssi」と言いながら私のほうにメガネを持ってやって来ました。

私にメガネをつけながら、ちゃんと合っているかどうか、調整してくれました。

値段が値段だけに、品質には納得しています。
慣れるまでは、違和感がありましたが、これは、新しいメガネを作った時のお約束のことなので致し方がありません。

しかし、こんな値段で商売になるのか、私が心配することではないのですが、いまだに気になっています。
まぁ、赤字であれば、店が潰れる事でしょうから、それなりに儲けているとはおもうのですが、それにしても安すぎます。

この値段の安さが、店の繁盛につながっているでしょう。
次回の訪ソウル時にもまた行って、もう一つ作る予定です。


に、このパクメガネを教えてくれた友人は、某大学で働いています。
その友人が、ソウルに旅行することになり、その大学に留学している韓国人学生に、「なにかお薦めのところはないか?」と尋ねたところ、このパクメガネを教えてくれたとのことでした。

で、パクメガネで作ったメガネを見せてもらって、この品質でこの値段なら、作る価値はある、と判断し、次回、訪ソウル時には、行かなければならないなと思っていました。

おまけ

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