韓国語のまわりで

公開日:1999年9月25日

■ 韓国人じゃないね

9月中旬にソウルに行って来ました。

その日は、ヨイドにある証券会社に勤めている友達と昼時に会って食事をしました。
食事を終えて、その友達と別れた後、バスに乗って南大門市場に行くため、バス停に向かいました。
ヨイド郵便局の前の交差点で、信号待ちをしていると、60代くらいのおじさん二人に「MBCは、どこにあるんだい?」と道を尋ねられました。
「MBCですか、えーっと、たしか、ここをまっすぐに行けば、あるとおもいますが」と答えると、ああそうかいといいながら、そのおじさん達、顔を見合っています。
そのうち、一人が、「あんた、韓国人じゃないね」といきなりの先制攻撃です。
「あ、はい。日本人です。」
「そうかい、韓国語、上手だね。」
「いえいえ、そんなことは。」
といいながら、おじさん達、にこにこしながら歩いて行きました。
これくらいのことで、韓国語が上手ですねと褒められているようでは、まだまだ、修行が足りない証拠だなぁと思いつつ、バスに乗りました。

南大門市場を歩いていると、久しぶりに露店でなにか買ってみるかと思い、海苔を買うことにしました。
露店のおばちゃんに海苔の値段を聞くと「六千ウオン」との答。
量を考えると、高くもなく安くもなく、買おうかどうしようか迷っていると、そのおばちゃんが一言
「あれ、韓国人じゃないでしょ」との一発が。
「はい、日本人ですよ」
「あれ、やだ、外国人には、一万ウオンって言っているのに、どうしましょ」
「っえ?一万ウオン?」
「六千ウオンでいいわよ、六千ウオンって言っちゃったから」
と、なかなかのボケをかましてくれました。

なんだかんだと買い物をして、荷物を日本に送るために、中央郵便局に向かいました。
荷物を梱包してもらい発送を終えました。
郵便局を出るときに、日本に絵葉書を出すため切手を買うことにしました。
窓口のおねえさんに「日本にハガキを出したいのですが、いくらになりますか?」と質問をすると、
「350ウオンになります」
「じゃあ、3枚下さい」
「今、ハガキをお持ちですか?」
「いえ、今はありません」
すると「韓国のかたでは、ありませんよね?」とここでも、この言葉が...
「はい、日本人ですけど」
「韓国語、お上手ですね」
「いえいえ」
といいながら、料金を払い切手を受け取りました。

5時間位の間に、立て続けに三連発も「韓国人じゃないね」攻撃を食らってしまい、いかに自分の韓国語が本物でないのかを痛感しました。
最近は“韓国に住んだ経験もないし、普段は話す機会もないんだから、仕方ないさ”と割り切るようにしていますが、なにげない普段の会話で、こうもあっさりと韓国人でないと見破られてしまうと、少々、自信喪失です。

で、次の日に、日帝時代の絵葉書を探して、切手商のお店を訪ね歩いている時のことです。
とあるお店で、絵葉書を見せてもらいながら、お店の人と話をしていると
「あれ、韓国のかたではないんですね?」
と、ここでも。
あぁ...


<ヨイド>
ソウル市内の中心部から地下鉄5号線で、約15分くらいのところにあります。
国会議事堂を始め、証券取引所、証券会社や放送局が集中しているオフィス街です。

おまけ

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