韓国語のまわりで

公開日:1998年1月17日

■ チュンソン!

韓国のテレビドラマで、昔、「第三共和国」というものがありました。
朴正煕大統領の出生から始まり、どのようにして政権の座についたのかを描いた内容のものでした。

ドラマの内容が、植民地時代が終わった頃から、当然のことながら、朴正煕大統領の軍隊時代の話になり、当時の軍隊描写が多くなりました。

ドラマを見ていると、入り口で警備している兵隊や、上官の前に行った時に階級が低いものが、必ず大きな声でなにかを叫びならが敬礼をするのが気になりました。
「いったい、何と言っているのだろう?」
何度も、ビデオデープをまき戻して再生しても、当時の私の語学力では聞き取ることが出来ません。
「漢字で二つの音だよな。う〜ん、敬礼って言っているのかなぁ?」と辞書を開いて見たのですが、どうも、敬礼とは違うようです。
「大声で叫ばないで、普通に言ってくれればいいのに」と思うのですが、どうしようもありまえん。

私には、韓国軍はもちろん自衛隊の軍歴もありません。
やはり、こんな時には、経験者に聞くのが一番です。
徴兵経験がある韓国人の知り合いに、敬礼をする時、一体、何と言っているんですか?と訊ねてみると「チュンソン、忠誠と言っているんですよ」との答。
「チュンソン?チュンソンって言いながら敬礼ですか?」
「そうです」

忠誠といいながら敬礼すると知って、変なところで、帝国陸軍の残骸を見た気分になってしましました。
(帝国陸軍が「忠誠」と言いながら敬礼をしていたという意味ではありません。そこまでして、忠誠心を植え付けさせようとする物の考え方にです。)

判ってみると、「なるほどな」となりました。

韓国人男性であれば、ほとんどが軍隊(や機動隊)の経験があり、当たり前のことが、日本人には経験がないがために想像すらも出来ないことがあることを思い起こしてくれた言葉が、「チュンソン!」でした。

おまけ

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