韓国語のまわりで

公開日:1996年11月11日

■ ものすごく丁寧な人

ソウルの明洞、新世界百貨店の対面に、ソウル中央郵便局があります。この郵便局のなかには、荷物を持っていくと、小包として梱包をしてくれる場所があります。
私は、この郵便局をよく利用します。というのも、ソウルに行く度に、南大門市場で人参茶や頼まれ物のを買い込み、この郵便局に持ち込んで、梱包をしてもらい航空便で日本に向けて送るためです。
この梱包をしてくれる係りの人の手さばきといったら、さすがのもので、あっと言う間に梱包をしてくれます。
料金のほうも、大きさによりますが、日本円で五百円くらいでしょうか。
梱包が終わったら、小包の受け付けカウンターに行って、手続きをすれば完了です。
で、その梱包サービスの場所で見た、若い韓国人サラリーマンの話しです。

梱包が終わったら、小包や送り状に、宛て名や内容明細を記入しなければなりません。料金を支払うレジのところで、記入用としてマジックインキやボールペンを貸してくれます。
普通、韓国人であれば、ボールペンを借りるくらいでいちいち承諾をもとめません。勝手に借りて、記入が済んだら、だまって戻していきます。
みんなそうしているので、私もそのようにして、宛て名を書いていました。
すると、日本語に訳すとこんな内容のことを言っているのが聞こえて来ました。

「あの〜失礼ですが、ちょっとボールペンを貸していただけないでしょうか?」

あまりの丁寧さに、おもわず顔を上げて声の主を見ると、20代後半とおぼしきサラリーマンです。
いままで、ボールペンを借りるぐらいで、こんなに丁寧な言葉使いをする韓国人を見たことがなかったので、「わぁ、韓国人でもこんな人がいるんだ!!」とびっくりしながら、じーと顔を見てしまいました。
雰囲気は、いいとこのおぼちゃん風でしたが、金持ちのボンボンがサラリーマンをやってて、郵便局の小包梱包のところにくるわけないしなぁ??と頭の上から、クエスチョンマークがしばらく消えませんでした。
この件以降、街中であんなに丁寧な言葉使いをする人を見たことは、いまだにありません。

おまけ

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