韓国語のまわりで

公開日:1996年7月9日

■ クワィルピンス

今から3年前でしょうか、韓国語を勉強しはじめて約3年位経ったころでした。会社の夏期休暇の時、ソウルを訪れて、どこに行っても困らない程度に韓国語が上達したな、と実感が出来、自分の韓国語力に自信を深めていました。

明日は、東京に帰るぞという日、ロッテ百貨店の食堂街をぶらぶらしていると、夏の定番である「かき氷」のメニューが貼ってありました。 韓国のかき氷は、”パッピンス”という名前の通り、どこで食べても、日本で言うところの「氷アズキ」が出て来ます。
しかし、この食堂街にある喫茶店には、"クワィルピンス"と書いてあります。
「ん?クワィルピンス??果物かき氷???.....食べてみなきゃ」というわけで、その店に入って席に着きました。

韓国語には自信を深めていた私は、何の疑問も無く、「クワィルピンス チュセヨ」とアルバイトのお兄ちゃんに言いました。
すると、そのバイト兄ちゃんは「?」という顔をして、注文を取ってくれません。
(あぁ、ちょっと発音が悪かったか)と思いつつもう一度「クワィルピンス チュセヨ」というと、そのバイト兄ちゃん「クワィルピンス??」とのたまうではないですか。
(え?俺の発音、そんなに悪いのか??えええ??)と内心うろたえながら「クワィルピンス チュセヨ」
そのバイト兄ちゃん「クワィルピンスヨ??」と言いながら、レジのほうに向かって行きました。

良かった、通じたと思ったのも束の間、そのバイト兄ちゃんは、なんと英語のメニューを持って来て、どれなのか指差せと言うのです。
頭に来た私は、英語のメニューを無視し「クワィルヨ、ク、ワ、ィル、ピンスヨ!!」と何度も繰り返すと、そのバイト兄ちゃん(あ〜やっとわかったという顔をして)「アー、クワィルピンスヨ」といって注文を取ってくれたのでした。

出て来た「クワィルピンス」は、氷あずきに、缶詰の果物細切れが乗っかっている、何の変哲もないものでした。

この一件で、私が持っていた韓国語に対しての自信が、崩れ去ったことは言うまでもありません。

おまけ

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